イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ地区の病院で、イスラム組織「ハマス」の地下トンネルを発見したとして映像を公開しました。一方、すでに多くの住民が避難しているガザ地区南部で攻撃が拡大するおそれも出てきています。

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16日、イスラエル軍は、新たにシファ病院内の地下トンネルだとする映像を公開しました。

イスラエル軍の兵士
「いま、ご覧いただいているのがハマスの地下トンネルです。シファ病院内部にもつながっています。まさにハマスはこの場所を拠点にしていたのです」

穴の中に何らかの構造物は確認できますが、内部の様子までは明らかにされていません。

イスラエル軍の兵士
「ここに並べられているのは、車両に積まれていたものです」

さらに、シファ病院にある車両から数多くの武器が見つかったとも主張しました。

シファ病院の地下にハマスの司令部があると繰り返し主張してきたイスラエル軍。証拠が不十分だとの批判も出るなか、病院内の捜索を続けているものとみられます。

地下トンネルとする映像に先立ち、軍は病院内で多数の武器を発見したとする映像も公開していました。

イスラエル軍　報道官
「すべてはMRIの機材の陰に隠されていたのです」

ハマス側は“バカげた話”だと猛反論しています。

ハマス高官
「近くに金属があるとMRIが使えないことは誰でも知っています。指輪でさえ外さないといけないのに」

イスラエル軍の主張は不自然だとして、武器は持ち込まれたものだと非難しました。

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イスラエル軍はシファ病院以外でも各地でハマス掃討作戦を続けています。

16日には、ハマスの訓練施設として使用されていた港を制圧したとも発表しました。ガラント国防相は地上作戦の進展を強調。

イスラエル　ガラント国防相
「先日、私たちはガザ市西部全域の占拠と掃討を完了しました。次の段階が始まっています」

イスラエル軍は、シファ病院を含むガザ市西部の占拠と掃討を完了したとしています。

連日、北部に残る住民らに南部への避難を呼びかけていますが、いま、この南部への軍事作戦拡大のおそれが出てきています。ガラント国防相は15日、地上作戦は最終的に「南部も含まれる」と発言しました。

ガザ地区南部ハンユニスで、北部から南部へ逃れてテント生活を送る人が見せてくれたのは、「安全のためすぐに知っている避難所に移動してください」と書かれたイスラエル軍が投下した避難を呼びかけるビラです。

南部へ避難した人
「イスラエル軍に言われて、南部に避難してきました。安全な場所はどこにもないのに、これ以上どこに行けというのでしょうか」

またもや住む場所を追われるのではないかと不安をかかえていました。

支援も追いついていません。

かろうじて営業を続けるパン販売店に連日住民が殺到するなか、WFP＝国連世界食糧計画は、国連と連携していたパン販売店23軒すべてが営業を停止したと明らかにしました。

「飢餓のリスクが高まっている」と警告していて、住民の暮らしは悪化の一途をたどっています。