月収75万円でも家借りられず…広がる所得格差 アメリカ大統領選・最大の争点は経済問題
アメリカ大統領選挙が来週に迫る中でトランプ陣営、ハリス陣営、非難の応酬が続いています。アメリカ国内で所得格差が広がる中、月に日本円で75万円ほどの収入があっても住まいを追われる人がいるといいます。
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事の発端は、トランプ氏を支持するコメディアンの発言でした。
トランプ支持のコメディアン(27日)
「海の真ん中にゴミの島が浮いている、プエルトリコだと思う」
これにプエルトリコ系の住民が反発。これに対しバイデン大統領が、トランプ氏の支持者をゴミ呼ばわりしたと受け取られかねない発言をして波紋が広がり、今度はトランプ氏が…
共和党候補 トランプ氏(30日)
「バイデンたちは我々をゴミと呼ぶが、私はあなた方をアメリカの心と魂と呼ぼう」
バイデン氏もハリス氏も大統領にふさわしくないと批判。
バイデン氏の発言に足を引っ張られたかたちのハリス氏は…
民主党候補 ハリス副大統領(30日)
「彼(バイデン氏)は自分の意見を明らかにしたということです」
発言に否定的な姿勢を示しました。
両陣営が非難の応酬を繰り広げる中、来週に迫ったアメリカ大統領選。最大の争点となっているのは経済問題です。
カリフォルニア州のサンフランシスコ。日本人にも人気の観光地ですが、街の中心部のあるブロックには…
記者
「ここら辺の一角、全てホームレスの方々ですね」
多くの路上生活者、いわゆるホームレスの姿がありました。
ホームレス
「いろんなことが重なって…それからずっとホームレスで、毎日ドラッグをやっています」
家賃や食料品、ガソリンなど、あらゆる物価が上がったアメリカ。特に家賃の高いカリフォルニア州は、全米のホームレスの約3割を抱えています。
サンフランシスコ市内の薬局では、多くの商品をカギのかかったケース内に陳列。万引き対策です。
薬局の店員
「一日に3回くらいは(万引きが)あります。だからカギをかけているんです」
アメリカ国内では所得格差が拡大し続けていて、生活が成り立たない人が増えているのが現状です。
記者
「この道の右側あたり、ずっと大きなキャンピングカーが止まっていますね」
毎日働いていても住まいを追われる、そんな人も出てきています。
12年前からキャンピングカーで生活する55歳の男性。車の中には家財道具や衣服が所狭しと置かれていますが、電気やエアコンはありません。
キャンピングカーで生活する男性(55)
「暖かい毛布で寒さをしのぎ、暑過ぎるときは外に出ます。ここで暮らしているというよりサバイバルという感じです。大変なんです」
トラックの運転手をしている男性の1日が始まるのは午前2時。午前3時からの8時間、週6日働き、月収は約5000ドル、日本円で75万円ほど。それでも税金などを引いた手取りの60万円弱では、アパートを借りて生活するには足りないといいます。
キャンピングカーで生活する男性
「明日を生きるために仕事をしなければいけません。まさか、こんな生活をするとは思っていませんでした。アパートにももっと安く住めると思っていたんです」
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争点の経済問題について両候補は…
民主党候補 ハリス副大統領
「富を築き、ビジネスを始める機会を生み出す経済を作ります」
共和党候補 トランプ前大統領
「私はインフレを終わらせる、アメリカンドリームをもう一度取り戻す」
経済格差に苦しむ人々には、どちらの声が届くのか。