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中国で殺傷事件相次ぐ 経済悪化による社会不安が背景か

2024年10月10日 18:52
中国で殺傷事件相次ぐ 経済悪化による社会不安が背景か

中国・広州市で小学校の児童らが刃物を持った男に切りつけられる事件が起きました。殺傷事件が相次いでいる中国。その背景には経済の悪化による社会不安があるとの見方もでています。


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またしても中国で、子どもが襲われる事件が起きました。

市民
「日本人であっても中国人であっても子どもに手を出すべきではありません」

事件が起きたのは、中国南部の広東省広州市です。中国の警察当局などによると、8日午後、小学校の門の周辺に集まっていた児童らが刃物を持った男に切りつけられたといいます。この事件で小学生2人を含む3人がケガ。広州にある日本総領事館によると、けが人の中に日本人はいないということです。

その場で取り押さえられたのは60歳の男で、警察が動機などを捜査しています。

刃物を使った殺傷事件が相次ぐ中国。今年6月には蘇州市で日本人の親子が中国人の男に刃物で切りつけられてケガをし、刺された中国人女性が死亡。9月には、広東省深センで日本人の男子児童が男に刺され亡くなっています。

狙われたのは日本人や子どもに限らず、吉林省の公園では今年6月、アメリカ人4人が男に刺される事件が発生。9月には商業施設で刃物を持った男が暴れ、警察官3人が死傷したほか、9月30日には上海市内のスーパーで男に刃物で切りつけられた市民3人が死亡、15人がケガをしています。この事件で警察に拘束された37歳の男は「経済的なトラブルを抱え、恨みを晴らそうとした」と話しているということです。

殺傷事件が相次ぐ背景にあるとみられているのは、中国経済の悪化による社会不安です。中国では大企業の経営危機や若者の失業問題が深刻化しています。

市民
「経済が良くなくてみんなストレスが大きいと思う」

市民
「人々が前よりイライラしています。これからもっとひどくなると思います」

SNSでも「経済が良くないからこんな事件が増えるんだ」「無差別襲撃で毎回子どもが狙われるなんて…」といった声が投稿がされています。

相次ぐ殺傷事件を受けて、中国各地の日本総領事館は外出の際の注意などを呼びかけています。

最終更新日:2024年10月10日 18:52