北欧でNATO加盟への動き加速 対ロシアで結束
北欧フィンランドは15日、NATO(=北大西洋条約機構)への加盟を申請すると正式に表明しました。スウェーデンでも与党が加盟支持を打ち出すなど、対ロシアの軍事的結束を強める動きが加速しています。
フィンランド・マリン首相「ロシアがウクライナを攻撃したことで、すべてが変わった。自国だけでは、ロシアの隣で平和な未来があるとはもう信じられない」
フィンランドのニーニスト大統領とマリン首相は15日、共同会見を開き、「フィンランドで再び戦争を起こさないため」として、NATOへの加盟を正式に申請すると表明しました。
また、スウェーデン与党の社会民主労働党は15日、軍事的非同盟の立場を転換し、NATO加盟を支持する方針を決定しました。与党党首を務めるアンデション首相は、「軍事的非同盟は有益であったが、今後も有益であるかが問われている」と強調しました。今後、議会での審議などを経て、正式に加盟を申請する見通しです。
ただ、NATO加盟には加盟国の全会一致が必要で、この2か国がテロ組織を支援していると主張するトルコが加盟に難色を示したため、NATO外相会議でもこの問題が協議されました。
会議後、NATOのストルテンベルグ事務総長は、「トルコが加盟を阻止する意図がないことを明言した」と述べています。
こうした中、ウクライナ軍は15日、ロシア軍との戦闘が続く東部の前線で、アメリカから供与された射程の長い榴弾(りゅうだん)砲を使用しているとする映像を公開しました。現地のアメリカ大使館は、提供予定だった榴弾砲90門のほとんどが、すでに前線に配備されているとしています。
一方、ウクライナの国境警備隊は15日、南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所内だとする写真を公開しました。薄暗い中、隊員らが読書やチェスをする様子が映っています。
ウクライナ国防省によりますと、ロシア軍は製鉄所への空爆などを続けているということです。