衣替えシーズンの悩み…いらなくなった服どうする? “古着回収ボックス” 街角で回収しリメイクへ
秋は衣替えの季節。もう着ないけど、まだ捨てられない…そんな服をどうするといいのか。いらない服の悩みを解決しつつ、思わぬものに生まれ変わらせる取り組みを取材しました。
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日に日に感じる“秋”。東京・吉祥寺では、「衣替えに追われている」という声が聞こえました。
40代主婦
「衣替え。今やってる途中です」
50代主婦
「きのう衣替えみたいなことした」
そんな衣替えの“あるある”といえば、“いらなくなった服をどうするのか”問題。
30代主婦
「結局使わない服があるので、見てみぬふりみたいな。押し入れにぎゅーっとみたいな」
40代主婦
「人にあげたりとかタイミングがよければ、あとはたまに売ったり」
20代学生
「自分は捨てますね。実家に送るか」
30代主婦
「捨てるのは…もったいないって思っちゃう」
――捨てるのは抵抗ある?
50代主婦
「あります、かなりあります。やっぱり愛着というか気に入ってたり」
着ていない服とはいえ“ただ捨てる”のは、抵抗がある人が多いようです。
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そんな中、いま街中に登場し始めているのが「古着回収ボックス」です。
東京・大田区では現在、人通りの多い駅前の広場など区内約10か所に設置。(蒲田駅東口駅前広場では毎週土曜日に回収しています)
古着を持ち込んだ人
「衣替えをしたので持ってきました」
かごいっぱいの古着を持ち込む女性もいました。
女性
「これとこれ、(紙袋)5つですね。捨てるのはもったいないので、回収できて本当によかった。1巡目は終わったので1回帰ります」
多いときはなんと、1日に1000着ほど集まるといいます。この古着回収ボックスを、大田区と提携して設置したのはアパレル会社を経営する畠山さんです。
FASHION X 代表 畠山怜之さん
「捨てられずに困ってる服がたくさんあるんだなと実感しました。『回収してくれてありがとう』って言われることがあって」
畠山さんは、回収した古着をあらゆるものに生まれ変わらせています。たとえば、一見ズボンを積み重ねているだけに見えますが、実はこれまさかの椅子! 畠山さんは「おしゃれですよね。デニム(をリメイクして作った椅子)が一番の自信作ですね」と話します。
約10着のデニムを特殊な溶剤を使って固めていて、カフェなどから注文が来ているといいます。さらにほかにも…
FASHION X 代表 畠山怜之さん
「学校と連携して授業の一環として古着を活用いただく」
服飾の専門学生などに古着を提供、授業で古着をリメイクして、作品の展示や販売を行っているんです。実際に古着をリメイクしている学生はー
学生
「思い入れがあったもの(古着)を製作に使えるのがありがたい」
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その1着1着に、その人その人の思いが詰まっている古着。蒲田駅東口駅前広場で再び話を聞きました。
古着を持ってきた人
「かなり着ました」
――お気に入りの服は捨てづらい?
古着を持ってきた人
「それでずっと持ってました」
70代主婦
「旦那が亡くなって。介護していた。ほんと捨てられないんですよね。子どもたちは『俺の趣味じゃない』って。(古着回収ボックスに)リメイクされるって書いてる。次の人に使ってもらえれば」
FASHION X 代表 畠山怜之さん
「思いの部分も含めて、循環を作っていけたらいいなと思う」