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「行ってらっしゃい!」ななつ星に手を振って12年 休園を前に園児たちが最後のお見送り 福岡

2025年3月25日 22:11
「行ってらっしゃい!」ななつ星に手を振って12年 休園を前に園児たちが最後のお見送り 福岡

JR九州の豪華寝台列車「ななつ星」の運行が始まって12年です。沿線で手を振り続けた、福岡県うきは市の保育所があります。少子化の影響で今年度で休園することが決まり、25日が最後のお見送りとなりました。

25日正午過ぎ、福岡県うきは市の線路沿いの農道に、地元の子どもたちなどおよそ200人が集まりました。子どもたちが待っているのは。

■園児
「ななつ星!」
■記者
「ななつ星のどんなところが好きですか。」
■園児
「かっこいいところ。」

JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」は2013年、博多駅から阿蘇・由布院など九州の名所を巡る観光列車として運行が始まりました。

沿線にあるうきは市の山春保育所では、園児全員が手を振って、おもてなしを始めました。

■園児たち
「行ってらっしゃい!」

寒い日も暑い日も、毎週火曜日の運行日には欠かさず12年間、「ななつ星」に手を振り続けてきました。

■「ななつ星」開業当時の所長・赤穂慎子さん
「子どもたちも(乗客から)手を振っていただけると元気をもらえる。言葉にはないつながりで元気をもらっていたと思います。」

子どもたちの気持ちに応えるため、JR九州は2015年に「ななつ星」を保育所の近くの「うきは駅」にも停車させることにしました。園児たちのかわいい出迎えは乗客からも好評で、保育所に手紙やプレゼントが贈られてくるようになりました。

■JR九州クルーズトレイン本部・田中克也 副課長
「車内のお客様と園児の皆様がお互い笑顔になって、心が通っているような非常に温かい空間を作っていただきました。」

しかし、保育所に「少子化」が影を落とします。多いときに100人いた園児は、今は15人にまで減り、保育所は3月いっぱいで休園することが決まりました。

そして25日、休園前の最後の火曜日。

■保育士
「きょうはいよいよ、最後のななつ星のお見送りとなりました。」

園児たちは、保護者や先生たちと「ななつ星」がやって来るいつもの場所に。色とりどりのバルーンを持ってそのときを待ちます。そして。

「ななつ星」はいつもよりゆっくりと走り、子どもたちに感謝を伝えました。

■園児
「さびしい。」
Q乗客が手を振っていたけれど、見えた?
「見えた。うれしそうだった。」
「楽しかった。お見送りするとこ。」

■山春保育所・堀江元子 所長
「電車好きの子どもがたくさんいまして、かっこいいななつ星を見て運転手になりたいとか、鉄道の関係の仕事に就きたいという子どもが増えたかなと思います。残念ですが、時々はななつ星を見に来て手を振りたいなと思います。」

29日に行われる山春保育所の休園式には、JR九州の職員も参加して12年間の感謝を伝えるということです。

※FBS福岡放送めんたいワイド2025年3月25日午後5時すぎ放送

最終更新日:2025年3月26日 1:10
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