【密着】生活の“音”をサポート 聴導犬と飼い主の出会いと別れ『every.特集』
愛媛大学で働く太田琢磨さんは耳が不自由で、補聴器などを付けなければ全く音が聞こえない。そんな太田さんをサポートしているのが「聴導犬」のベルだ。
日常生活に寄り添い、インターホンや目覚まし時計、火災報知器などが鳴った時に知らせるなどして、8年前から太田さんの生活を支えている。
そんなベルはもうすぐ10歳。実は人間でいうと、およそ60歳にあたる。太田さんは「ベルは眠りが深くなってきて、耳も遠くなってきている。昔だったら(私に音を)教えていたのに、教えなくなったということがある」と、最近のベルの変化を感じていた。ベルに引退の時が近づいていたのだ。
それは新しい聴導犬との生活が待っているということを意味していた。太田さんは、聴導犬など人をサポートする犬を育てる場所で、訓練中の「ハンナ」と出会うことになる。
ハンナはもともと身体の不自由な人をサポートする「介助犬」として訓練を受けていた。ベルの後のパートナー候補だ。
早速、訓練が始まるのだが、体重4キロだったベルに対して、ハンナは24キロとかなり大きくなる。
太田さんは、まず大きさの違いに戸惑いを見せた。さらに、基本動作の訓練では指示通りに一緒に動いてくれない。太田さんの呼びかけに見向きもしないのだ。その原因の一つが、太田さんの指示の出し方にあった。
8年間のベルとの生活の中で、太田さんの指示の出し方には独特の癖がついているため、ハンナには理解できなかった。でも、太田さんとハンナが正式なパートナーになるためには、試験に合格しなければならない。
太田さんとハンナ、二人三脚の奮闘が始まった。商業施設で、自宅で、ひたすら訓練が続いていく。時間がかかっても信頼関係を作らなければならない。
そして訓練開始から5か月。ついに太田さんとハンナの試験の日がやってくる。
※詳しくは動画をご覧ください。(2023年12月18日放送「news every.」より)