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駅前にアルプスの絶景?カギは「ずらし旅」 絶景プロデューサーが推す、環境先進国スイスのサステナブル旅

2022年3月26日 22:00
駅前にアルプスの絶景?カギは「ずらし旅」 絶景プロデューサーが推す、環境先進国スイスのサステナブル旅
環境先進国スイスのサステナブルな絶景旅

観光地にとって、観光客が集まることは喜ばしい一方、環境や景観、地域社会に悪影響が出る「オーバーツーリズム」と呼ばれる状況に陥ることがある。世界60か国を巡った絶景プロデューサーの詩歩さんに、人と絶景に優しい「サステナ旅」を紹介してもらった。

(2022年2月25日配信「Update the world #14」より)

■夏のオーロラ観光もおすすめ

海外60か国、日本は47都道府県を巡り、数々の絶景を撮影してきた絶景プロデューサー詩歩さん。SNSの総フォロワー数は100万人にのぼる。

詩歩さんが撮影したギリシャやポルトガル、ベトナム、クロアチアの絶景写真を前に、感嘆の声をもらす番組出演者たち。お笑い芸人・ミキの昴生さんからは、オーロラが見られるおすすめのスポットの要望が。詩歩さんは、カナダのイエローナイフを紹介した。


「イエローナイフは、3日間滞在すれば95%の確率でオーロラが見られるといわれています。実物は、写真以上の絶景ですよ。またオーロラ観光は寒いイメージがありますが、夏のシーズンだと半袖で原っぱの上で寝転がりながらオーロラを見られます。寒さが不安な方は、夏の旅行がおすすめです」

■環境に優しい移動ができるスイス旅

旅行に行きたい気持ちが最高潮になった番組出演者たちに満を持して詩歩さんが提案する旅プラン。それは、「アルプスの絶景を満喫!環境先進国のサステナブルな海外旅行」だ。環境先進国として有名なスイスを舞台とした旅行プラン。いったいどんな絶景が広がっているのだろうか。

1日目は、まず空路でスイス・ジュネーブのコアントラン国際空港へ。ここからマッターホルン麓の街・ツェルマットへ向かう。その方法は、電車。スイスは鉄道の旅がおすすめだと詩歩さんは語る。

「これまで60か国を旅してきましたが、こんなに大自然に囲まれながら、快適に電車で旅できる国は、スイスがはじめてでした。移動時間も、山が見えたり、滝が見えたり。眠っているのがもったいないほど楽しい電車旅になります。

しかもスイスの鉄道は、環境にも配慮されています。スイス国鉄は使用する電力がほぼ100%自社の水力発電でまかなわれています」

さて、電車に揺られること3時間40分。ツェルマットに到着。このツェルマットには、独自のルール「カーフリーリゾート」があるという。

「カーフリーリゾートとは、この村の中にはガソリン車を入れてはいけないというルールです。レンタカーで旅行していたとしても、一つ手前の駅で車を降りて、公共交通機関を使わなければいけないという徹底ぶりです」

そのため、市内観光の交通手段は、電気自動車や馬車。元々は環境を守る目的だったが、カラフルで素敵な電気自動車や馬車を体験することも、旅の魅力となっている。環境への理解を深めるきっかけにもつながっていると詩歩さんは語る。

「せっかくの絶景を壊さないように、環境に優しい移動の選択肢を旅行者自身が意識することが大切だと思います」

そして翌日。いよいよ、マッターホルンの絶景を見に行く。山登りと思いきや、そんなことはない。マッターホルンもすぐ近くまで電車で行くことができるのだ。しかも駅前でいきなり絶景を拝むことができる。

詩歩さんが提案するプランでこの日の起床時間は、なんと朝4時。番組内でも「無理!」とリアクションが上がったが、これには理由があるという。

「まず、人が少ないときに観光地を楽しめることです。昼間に行くと、人がたくさんいて、良い写真が撮れません。オーバーツーリズム問題を解消するうえでも、有効です」

■オーバーツーリズムにおすすめな「ずらし旅」

オーバーツーリズムとは、観光地にキャパシティ以上の人が集まって、環境や経験、地域社会などに影響が出てしまうこと。2020年11月の京都では、緊急事態宣言後にGoToトラベルが始まったことで、国内からの観光客が多く殺到した。京都在住の詩歩さんも困ったことがあったという。

「仕事でどうしても嵐山に行く用事があったのですが、渡月橋が落ちてしまうのではと思うほど、たくさん人がいました。いつもはバスで移動しているのですが、その日はバス停でものすごい人が並んでいて、タクシーを利用しましたね」

京都出身の昴生さんも、複雑な心境を語る。

「コロナ禍以前は、京都では当たり前の景色でした。でも逆に、コロナ禍で人が減ったことで、新しい京都の魅力が見えてきた面もあって。観光客が戻ってきたことが喜ばしいけれど、難しい問題ですね」

そんな世界各地で起こるオーバーツーリズム問題。詩歩さんは、解決策として「ずらし旅」を提案している。

「まずは時間をずらすこと。先ほどの早起きがその一例です。ほかにも、大型連休などの時期をずらす。誰もが知っている定番の観光スポットではなく、自分だけのとっておきの場所に場所をずらす。このようにずらし旅をすることで、観光地の環境を守ることにつながります。私にとっても、ずらし旅は絶景の写真がきれいに撮れて、一石二鳥なんですよ」

ちょっとしたずらし旅は、環境を守ることにつながるうえ、旅行の楽しみも倍増する。旅のプランを考えるときは、ぜひ検討してみていただきたい。



この記事は、2022年2月25日に配信された「Update the world #14 地球も人も“元気になる”旅のカタチ」 をもとに制作しました。

 

■「Update the world」とは日本テレビ「news zero」が取り組むオンライン配信番組。SDGsを羅針盤に、社会の価値観をアップデートするキッカケを、みなさんとともに考えていきます。

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