【解説】「扇風機」で蚊の対策 血液型でも違いが…刺されやすい人の特徴とは?
今の時期から増えてくる「蚊」、どのような人が蚊に刺されやすいのでしょうか。専門家に聞きました。
・蚊が好きな温度は?
・“刺されやすい人”は
・血液型でも違いが
以上の3つのポイントについて詳しく解説します。
蚊の活動時期は、意外と長期間です。「まだ夏ではないのに、蚊がいる」、「もう秋になのに、刺された」という経験がある人もいると思います。
蚊は4月下旬から既に活動を始め、7月から9月にピークを迎え、11月下旬まで続きます。1匹の成虫の蚊の寿命は1~2か月で、この活動期間が繁殖しやすいということです。
次に、専門家立ち会いのもと、気温によって蚊の活動がどう変化するかを検証しました。
温度を37℃前後に設定した箱と、26℃に設定した箱の中に蚊を入れます。両方の箱に腕を入れると、26℃の箱ではすぐに数匹の蚊が血を吸い始めました。しかし、37℃の箱はわずかに反応している蚊がいるものの、鈍い動きでした。
5分後、入れていた腕はどうなったのでしょうか。26℃の箱は、7か所刺されていました。一方、37℃の箱は1か所も刺されていませんでした。
この実験の監修をした害虫防除技術研究所・白井良和所長は、蚊の研究をして25年のスペシャリストです。白井所長によると、蚊が活発に活動するのは25℃から30℃ということです。実は、35℃を超える猛暑日には蚊も弱り、刺されにくくなる可能性があるそうです。
では、蚊は何をターゲットに、人を刺しに来るのでしょうか。白井氏は次のように指摘しました。
第1のターゲットは、二酸化炭素です。蚊は人間が吐く息、皮膚からわずかに出ている二酸化炭素を感知します。
第2のターゲットは、体温です。蚊は温度を感じ取るセンサーである触角で体温を感じ取り、寄ってくるそうです。
第3のターゲットは、汗です。蚊は、汗に含まれる乳酸とアミノ酸を感じ取ります。
第4のターゲットが、足の臭いです。足特有の臭いの原因となるイソ吉草酸という物質に蚊が寄りやすいため、足が刺されやすいということです。
どのような人が、蚊に刺されやすいのでしょうか。
まず、体温が高い人です。体温が36℃台後半の人は刺されやすいということです。特に新陳代謝が活発な子供、体温が高めな妊婦さんも蚊に刺されやすい傾向ということです。健康面において、冷え性は一般的には良くないことですが、蚊には刺されにくいということです。
そして、汗をかきやすい人、炭酸飲料やお酒を飲んだ人も、蚊に刺されやすいということです。炭酸がある物を飲むと、蚊のターゲットとなる二酸化炭素を多く出るようになります。さらに、アルコールが分解されると、二酸化炭素が出やすくなるということです。これから、ビールがおいしい季節ですが、悩ましいところです。
さらに、服装の色も関係してきます。蚊に刺されやすいのは、黒や紺などの濃い色です。このような色を蚊が好む傾向にあるそうです。
蚊に刺されやすいのは、どの血液型でしょうか。
白井所長も実際に血液型別に調べてみたところ、刺されやすい順位があったということです。1位はO型です。2位はB型、3位はAB型です。一番刺されにくい4位はA型です。
ただ、どうして蚊に刺されにくいのか、理由は解明できておらず、実験データでは以上の結果が出たということです。
では、蚊に刺されやすい人も、どのような対策をすれば刺されにくくなるのでしょうか。
まずは「虫よけスプレー」と思いますが、体を拭くことも対策として挙げられます。白井所長によると、特に汗をかいた所、蚊が寄ってきやすい物質が付きやすい足や顔を拭くと効果的ということです。
また、「扇風機」を使う意外な蚊の対策もあります。ハンディ型の扇風機を持つ人もいますが、風があると蚊が寄って来にくいため、有効ということです。虫除け以外にも以上の対策ができるということです。
蚊に刺され、かゆみ止めの薬がない場合、どうすればいいのでしょうか。一番効果的なのは、冷やすことです。保冷剤のような物で冷やすか、流水で冷やしても十分効果があるそうです。
よく叩いたり、爪でバツ印を作ったりする人がいます。白井所長によると、かゆみを痛みで一時的に紛らわせているだけなので、痛みが消えるとまたかゆくなり、有効ではないということです。むしろ、傷がついて細菌感染してしまうこともあるため、やらない方が良いということです。
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今回、お伝えしたポイントを踏まえて、これからの季節、少しでも快適に過ごしましょう。