日本の四季が“二季”になる!? クリスマスに紅葉、5月にセミが鳴き始める未来も…
春と秋がなくなり、四季が“二季”になる!? 異常気象が続く影響で、春と秋の期間が短くなってきたりと異変が起きている日本の気候。
この異例の事態に専門家からは、“5月にセミが鳴き始め、紅葉がクリスマスになる”という未来予測が挙げらるほど。
これから、日本の四季はどうなってしまうのか?気象の変動と紅葉の色づきから、今後の“四季”の未来を予想した。
春と秋が消える!? “紅葉“と”クリスマス”が同時に訪れる未来
今年の夏、名古屋では30度を超える日が過去最多の93日を記録。先月16日は35.7度となり、観測史上、最も遅い猛暑日となった。毎年続く日本の異常気象。
気象・気候に造詣の深い、三重大学大学院生物資源学研究科・立花義裕教授は「今年のような暑さや異常気象が普通となり、異常気象が“ニューノーマル”になっていくと思う」と話す。
続けて、「5月からの暑い夏が長引き、冬の寒さも厳しくなる。春と秋の期間が縮んで、四季が“二季”へと変化していくのでは」と気候の変動を予測する。
ここで気になるのが、そろそろ見頃のシーズンを迎える秋の風物詩・紅葉の未来。すでに異常気象の影響で、紅葉の色づきに変化が起きていた。
「この夏と同じ気候だった年は、雪と紅葉が重なったことがありました」と話すのは、岐阜県多治見市「もみじかえで研究所」の本間篤史さん。紅葉の研究を続けて18年、長きに渡り紅葉の経過を見守ってきた人物だ。猛暑によって葉が日に焼け、枝だけになってしまった木も多く、その部分には葉が付きにくいという。
紅葉に起き始めている異変を踏まえながら、本間さんは「このままいくと、(紅葉は)12月に入ってから、クリスマスくらいになるのではないか」と今後の紅葉シーズンの変化を予想した。
5月にセミが鳴き、3月に桜が開花する可能性も。
紅葉の異変をはじめ、異常気象の影響が現れている日本。三重大学大学院・立花教授は、今後の紅葉シーズンは11月下旬~12月に変動すると予想。「色づきの悪い紅葉が見頃を迎えるが、冬には寒波の影響で一気に葉っぱが風で飛んでしまい、紅葉が見られるシーズンが縮まるのでは」と、寒波の影響による紅葉シーズンの変動を述べた。日本の風物詩の変動予想は、“紅葉”だけではない。
卒業・入学シーズンを彩る桜や夏の訪れを告げるセミなども同じだ。今後の日本の四季について立花教授は、「8月・9月は気温40度超えが各地で頻発、名古屋が多治見のような猛暑に。
10月は暑さが長引き、台風襲来と蚊が増える可能性も。冬が2月に終わり、3月に桜が開花。5月に初夏が始まり、セミが鳴き始める可能性がある」と予測。大胆な予測だが、毎年続く異常気象や近年の紅葉状況を踏まえると、十分に“ありうる”未来なのだ。
人々に季節の魅力を体感させてくれる“四季”。その趣の深さから、海外からも高い評価を集める、日本ならではの魅力のひとつだ。
今まで”当たり前に”眺めてきた四季折々の情景が、今後見られなくなってしまうかもしれない。まずは、今年の紅葉を見られるチャンスを逃さないようにしたい。