雪の上でも譲らない!岐阜県郡上市「花奪い祭り」、最もご利益のある『輪転』をゲットした福男の願いとは…!? 決着をつける“意外な方法”にも注目
雪の上で大人の男性が、折り重なるように奪い合っているのは「花の飾り」。手に入れた人が御利益を得られるという、岐阜県郡上市の祭り「花奪い祭り」です。今年も壮絶な戦いが繰り広げられました。
5つの花笠を奪い合う!狙いは「輪転」
2025年1月6日、岐阜県郡上市の『長滝白山神社』で、新年を祝う祭りが行われました。その名は、「花奪い祭り(はなばいまつり)」です。
高さ約6メートルにつるされた、“5つの花笠”を奪い合い、花笠に付けられた飾りを持ち帰ると、家内安全や商売繁盛の御利益があるといわれています。
平安時代から伝わるとされているこの祭り。中でも最も御利益があるといわれているのが、花飾りの中心「輪転」です。
飲食店を営む、籏 哲朗さん。2024年の花奪い祭りで、はじめて「輪転」をゲットしました。その後について、「商売がたいへん順調になった」と話す籏さん。「コロナでいろいろ波がありましたけど、去年は復活の年になりました」と、笑顔で振り返りました。
6年ぶりに「輪転」ゲットを目指すのは、水谷俊介さん。「たこ焼き屋でお客さんもいっぱい増えていただいて、働く仲間もいっぱい増えて、確実にその(輪転)おかげしかないんじゃないかと思うくらい、効果が表れて実感をできました」と話し、続けて「次(ことし)ゲットして、自分がいいことになっても、それをみんなで分け合えるような。こういういいものは、みんなで分け合っていきたいと思います」と、祭りへの意気込みを語りました。
決着がつかないときは“じゃんけん”
午後2時過ぎ、祭りがスタートしました。和楽器の演奏を合図に、男たちがやぐらを組みはじめます。
そして、最初の一人が花笠に手をかけると、花笠が落下!飾りの奪い合いがはじまりました。
祭りの真骨頂は、やはり「輪転」の奪い合い。その戦いは、会場の外でも繰り広げられます。
決着がつかないときは、“じゃんけん”で勝者を決めるのが祭りの決まり。こちらの戦いの決着はじゃんけんで行われ、勝者が笑顔で「輪転」をゲットしていきました。
落下を控えた花笠の下。威勢のいいかけ声で、気合いを入れる円陣の中には水谷さんの姿がありました。
先ほどと同様に、再び花笠が落下!「輪転」をめがけて、水谷さんも参戦します。
戦いの舞台は、会場の外へ!雪の上でずるずると体を引きずられながら、壮絶な争いを繰り広げる水谷さんたち。
この戦いも、じゃんけんで決着をつけることに。じゃんけんの末、水谷さんは念願の「輪転」をゲットしました。
「まさか取れると思っていなかった」と、輪転を手に喜びを語った水谷さん。続けて、「ことしも皆さんにとっていい年であることが僕にとってもいい年です。ありがとうございます」と笑みを浮かべました。
さまざまな人が参戦した「花奪い祭り」。飾りをゲットした小学6年生は、「ことし(4月)で中学生なので、いいスタートができました」と嬉しさを滲ませ、“期待していること”について質問されると、「やっぱり、恋愛ですかね」と新たな学校生活に想いを馳せました。