×

『パーカがあるからこの学校にした』広がる“パーカ制服”の採用、独自ルールで生徒と学校の意見を調和 保護者からも好評「クリーニングに出さなくていい」 愛知・小牧市

2025年1月20日 17:03
『パーカがあるからこの学校にした』広がる“パーカ制服”の採用、独自ルールで生徒と学校の意見を調和 保護者からも好評「クリーニングに出さなくていい」 愛知・小牧市

“制服の在り方”の見直しが進む教育現場。愛知県小牧市にある『誉高等学校』では、2023年度入学生より、開校40周年記念事業として新制服「パーカ制服」を採用しました。生徒や保護者からも評価を集める新制服。同校では“最小限のルール”を設けることで、学校と生徒の意見を尊重しながら導入が行われていました。

校章ロゴで学校の伝統を継承

2021年より開校40周年記念事業に向けて、新制服の検討を始めた『誉高等学校』。同校担当者によると、検討時に掲げていたコンセプトは、「生徒の意見を取り入れる」、「制服を好きになってもらいたい」、「他校との差別化をはかる」の3つ。生徒会や他の在校生から意見を聞き取ったところ、「パーカーを制服として採用してほしい」という声があったことから、“パーカ制服”が新制服候補のひとつとして挙げられたといいます。

検討を重ね、「機能性」、「今の時代に合っている」、そして何より「生徒の意見を取り入れる」という点から、同校はパーカーを新制服として採用。パーカ制服は2023年度入学生より“希望者のみ購入可能”という形で導入、上級生も購入可能となり数名が購入したといいます。

パーカは紺色で、左胸に同系色で校章をプリント。カジュアルな見た目ながら、学校の伝統を継承したデザインとなっています。またフードの右側には、アルファベットで「HOMARE」と反射材で記されており、同校担当者曰く「自転車通学が多いので、左側通行の際、右側を通る車の運転手が気付きやすいように」という、安全面にも気を配った仕上がりとなっています。

反応はさまざま「動きやすい」「もっと暖かい方がいい」

「パーカーがあるからこの学校にした」という声が上がるほど、生徒はもちろん、高校入学前の学生たちの関心も引きつけていた“パーカ制服”。着心地や機能性について、生徒たちからはどんな反応が寄せられているのでしょうか。

同校担当者によると、生徒たちからは「動きやすい」、「ネクタイやリボンをしなくてもいいので、朝や体育の着替えが楽でいい」、「校章が小さく、目立ちにくいので良い」など人気を集めており、なかには「ポケットが大きく、左右がつながっているので櫛や鏡が入れられる」など機能性に満足する声も。

また「暖かい」という声が寄せられる一方で、「もっと暖かいほうがいい」など改良を希望する意見もあったといいます。

独自のルールで制服としての“統一性”を確保

『誉高等学校』担当者によると、“パーカ制服”を導入しているのは、愛知県内では同校のみ。全国的にもパーカ制服の導入校はまだ少ないなか、どのように制服としての“統一性”を確保しているのでしょうか。

同校では生徒たちの意見を尊重しながら、パーカ制服を着用する際の“決まりごと”として、「式典(入学式、卒業式など)と学校が指定する日は着用しない。着用して登校してもよいが、式典は脱いで参列する」、「校舎内ではフードを被らない。ただし、パーカのまま授業を受けてもいい」というルールを設定。

最小限のルールを設定することで、学校側と生徒側の意見の調和を図っていました。

保護者たちからは「パーカはクリーニングに出さなくて良い」と、従来の制服になかった“手軽さ”も関心を集めているパーカ制服。全国各地の学校で“制服の在り方”を見直す動きがみられるなか、パーカ制服のような“新制服”の導入が、生徒たちの学校生活にどのような変化をもたらしていくのか。今後の教育現場の動向に注目です。

最終更新日:2025年1月20日 17:03
中京テレビのニュース