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国産トリュフの栽培、岐阜県で昨年より“6倍”の発生に成功!約7年半におよぶ合同研究が進展させた栽培技術、主任専門研究員「短期間で、安定的に発生させる技術開発を進めたい」

2025年1月15日 16:18
国産トリュフの栽培、岐阜県で昨年より“6倍”の発生に成功!約7年半におよぶ合同研究が進展させた栽培技術、主任専門研究員「短期間で、安定的に発生させる技術開発を進めたい」

研究の着手から約7年半、ついに研究者たちの努力が“数字”となって表れました。岐阜県が国産トリュフの産地として、先陣を切る日がやってくるかもしれません。

国産トリュフの栽培技術の確立を目指す

「全国各地で栽培は可能だと考えています」と、国産トリュフの栽培に期待を寄せるのは、『岐阜県森林研究所』主任専門研究員の水谷和人さん。水谷さんは、茨城県つくば市の国立研究開発法人『森林研究・整備機構 森林総合研究所』と、国産トリュフの栽培に関する合同研究を行っています。

水谷さんによると、国内で流通するトリュフは、すべてヨーロッパや中国などから輸入。しかし、日本にもヨーロッパのものとは別種のトリュフが自生しているといいます。

“国産トリュフの栽培技術の確立を目指したい”

そんな想いから、2015年度より、『森林研究・整備機構 森林総合研究所』と国産トリュフの栽培を目指した技術開発に関する研究を実施。2023年10月、国内初となる黒トリュフ(2個)の発生に成功したといいます。

コナラ成長による栄養増加が要因か

黒トリュフ栽培の試験地は岐阜県。試験地について水谷さんは、「黒トリュフは日本各地で発生が確認されているので、岐阜県だけが黒トリュフの栽培適地という訳ではないと思います。発生に適した条件を明らかにする必要はありますが、全国各地で栽培は可能だと考えています」と話します。

そんな岐阜県内の試験地で、2024年10月・11月、昨年の“6倍”となる12個の黒トリュフの発生に成功。大きいものは直径3センチ、重さは11グラムだったといいます。

水谷さん曰く、「国内でトリュフの研究がほとんど行われてこなかったので、情報が少なかった」ことから、植栽から発生まで約7年半の歳月がかかったという黒トリュフの栽培。6倍の発生に成功した現在も、「トリュフの生育に適した条件、どんな条件が整えば、キノコが発生するかもわかりません」と明かします。

長い歳月を経て、“発生”までたどり着いた研究。水谷さんら研究チームは、どのような栽培方法で今回の成果を得たのでしょうか。

水谷さんによると、トリュフは生きた樹木の根に共生する菌根菌と呼ばれる仲間のキノコ。そのため、コナラ苗木の根を黒トリュフを潰した液に浸漬し、土壌に石灰を混ぜた苗畑に植栽する栽培方法で発生を目指したといいます。

研究チームは、黒トリュフはコナラの根に共生し、樹木から栄養をもらって生活していると分析。発生個数が増えた要因のひとつについて、水谷さんは「コナラの成長に伴って、トリュフに供給される栄養が増加したことが考えられる」と推測する一方、「トリュフの豊凶は、その年の気象条件等によっても大きく影響を受けるため、原因については今後の調査が必要です」と今後の課題を述べました。

『岐阜県森林研究所』と国立研究開発法人『森林研究・整備機構 森林総合研究所』による合同研究によって、向上の兆しが見え始めた“国産トリュフの栽培技術”。水谷さんは「今後も発生状況を継続して調査したい」と話し、続けて「キノコ発生の再現性を確認することや、短期間で安定的に発生させる技術開発を進めていきます」と研究への意気込みを語りました。

最終更新日:2025年1月15日 16:18
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