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“区境またぎ”で新発見 1つの公園に2つ名前が…

2022年5月5日 20:36
“区境またぎ”で新発見 1つの公園に2つ名前が…

ゴールデンウイークで国境や県境を越えて遠出した人もいると思いますが、身近な区をまたぐだけでも新発見がありました。区境を意識しながら歩いてみると、通りの両側が別々の区の「区境商店街」や、2つの名前がある公園など、珍しい光景も見られました。

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「学問の神様」菅原道真公を祭る湯島天満宮の近くにある商店街。通りには、歴史あるお店も並んでいます。何気なく歩くと、1つの商店街のように思えますが、数ある市区町村の境の中でも珍しいという2つの区にまたがる「区境商店街」です。

湯島白梅商店会 中村充会長
「(通りの)真ん中だと思うんですけど、ここで文京区と台東区と分かれています」

管理をする商店会も、通りの片方が文京区の「白梅商店会」、もう一方が台東区の「池之端仲町商店会」と違っています。区の境にあるため、それぞれの街灯の形に違いがありました。

散歩に来た人
「違いますね!確かに」

ちなみに、来月25日、この通りではお祭りが行われる予定です。

中村充会長
「氏子が違いますから、お神輿自体も違うし、両方見られるのが楽しみですね」

活気も2倍、それぞれの区にある神社のお祭りを毎年同じ日に開催するのが恒例となっているということです。

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残りのゴールデンウイークをお散歩感覚で楽しめる区境またぎ。地図サービス「MAPION」では、この区境に特に力を入れています。赤い太い線で境が見やすくなっています。

「MAPION」を運営 ONE COMPATH広報 千野賢一さん
「このように埼玉県新座市の中に、練馬区西大泉町が存在する」

さらに、3つの区がまたがるトリプル区境スポットもあるといいます。

千野賢一さん
「台東区と文京区と荒川区と、ちょうどここ区境になっているんですね」

そこから2~3分歩くと、北区との境もあります。住民と話すと、区境あるある話が聞けるかもしれません。

区境の住民 
「ウェザーニュース(天気アプリ)は北区、荒川区の天気予報が全部出てきます。粗大ゴミ券を買ったんですが、(清掃)会社が荒川区の方で、荒川区でふとんを出すと300円、北区は400円でした」

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五街道の起点にして、江戸の中心として栄えた東京・日本橋。その中心部に近くにある路地もまた、2つの区の中央区と千代田区にまたがる区境道路です。

区境を意識しながら歩いてみると、珍しい光景も見られます。「千代田区龍閑児童遊園」と書かれた看板がある公園。別の入り口には「中央区龍閑児童公園」と書かれた看板がありました。同じ公園なのに、「児童遊園」と「児童公園」と、名前も微妙に違っています。

さらに、その周辺には区境のルーツもあります。この路地は江戸時代、町民がつくった水路で日本橋区と神田区の境界でしたが、埋められた後もなお中央区と千代田区の境となっています。江戸からの歴史を物語る大事な道路なのです。

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普段、何気なくまたぐ市区町村。少し意識するだけで、いつもと違った景色が見えてくるはずです。


■地図協力:株式会社ONE COMPATH、ジオテクノロジーズ株式会社