4月15日は「よい遺言(いごん)の日」相続トラブルを避けるために 大事な人への最後のメッセージ 福岡
4月15日は語呂合わせで「よい遺言(いごん)」の日です。「いごん」というのは法律用語で、いわゆる「ゆいごん」のことです。
この日にちなみ、全国一斉で遺言や相続に関する無料相談会が開かれ、福岡でも多くの相談が寄せられました。
■30代
「書けたらいいと思うが、書くことが難しいなら躊躇する。」
■40代
「(Q.遺言書の書き方は?)分かりません。」
■70代
「私は書いています。きょうだいゲンカが激しくて遺産の取り合いとか。生きている間にちゃんとしないといけないとよく聞く。」
私たちが亡くなった後の財産は法律に基づいて相続されますが、誰に、どのように分けるのか、生前に意思表示しておくのが「遺言書」です。
■鬼丸ゆりか記者
「相談室ではプライバシーが守られた個室で弁護士が相談に応じます。」
福岡県弁護士会は、2004年度から4月15日の「よい遺言の日」に、遺言の作成や保管の方法などについて無料の相談会を開いています。
ことしは福岡県内でおよそ50件の相談がありました。
■福岡県弁護士会 広報室・塗木麻美さん
「遺言がないからトラブルになっているケースが圧倒的に多い。亡くなった人の意思が確認できないから、口約束で自分にあると言われても、ほかの兄弟がその話を聞いていないともめ事になる。」
遺言書には、法律の専門家である公証人が立ち会って作成する「公正証書遺言」と、手書きで簡易的に残しておく「自筆証書遺言」があります。
ただ、自筆証書遺言を作成する場合、絶対に忘れてはならないことがあります。
■塗木さん
「基本的に自筆。日付と氏名と印鑑が絶対必要。」
細かく遺言を書いていても、代筆だったり、押印を忘れたり、日付けが「4月吉日」のようにはっきりしなかったりすると不備があるとみなされ、遺言が無効になります。
2019年にはおよそ40年ぶりに法改正され、それまで自宅や貸金庫でしか保管できなかった自筆の遺言書を、法務局に預けることが可能になりました。
■塗木さん
「遺言は特別な人が書くものではなく、自分が残してきたものを誰にどう渡すかという最後のメッセージ。特別なものだと思わず、自分の意向を子どもや相続人に伝えていただければ。」
無料相談は終了しましたが、相続や遺言に関する相談は有料で受け付けています。
電話番号:0570-783-552(30分5500円・要事前予約)
福岡県弁護士会によりますと、遺言書がないことでトラブルになるケースが多いということです。
たとえ口約束をしていたとしても、法定相続人が複数いる場合はもめ事に発展しがちだといいます。
また、財産に不動産や会社の持ち株などが含まれると親族間での分け方が難しくなるため、遺言書があった方が安心だとしています。
福岡県弁護士会の塗木麻美さんは、「お盆やお正月など親族が集まる機会に、遺言書の内容について話し合う機会をつくってほしい」と話していました。