特集「キャッチ」九州プロレス設立メンバー「めんたい☆キッド」さんの決断「新しい道をつくっていきたい」 福岡
ことし6月、福岡県飯塚市で行われたNPO法人・九州プロレスのベルトを賭けたタイトルマッチ。挑戦者は九州プロレスの設立メンバーである、めんたい☆キッド。
■九州プロレス・めんたい☆キッド(46)
「夢とか仕事とか、そういった部分になるが、プロレスって本当に何なんですかね。一種独特な、魅力的なものなんですけど。」
めんたい☆キッドが挑む相手は、大日本プロレスの関本大介。九州プロレスの歴代王者を破り、この時チャンピオンだった関本にとって、3度目の防衛戦。
挑戦者めんたい☆キッドも、過去に2度、王座に輝いていた。
ある決心を胸にリングに上がった。
■めんたい☆キッド
「分からなくなってしまう、プロレスって。」
メキシコでプロデビューした、めんたい☆キッド。
■めんたい☆キッド
「 身長が180センチに満たない人は、メキシコに行ってプロレスラーになるという潮流がデビュー当時はあったので、ぼくも挑戦した。」
デビュー後、メキシコから帰国して日本で活躍の場を求めたが、当時、プロレスでは食べて行けず、過去に一度プロレス界から引退していた。
■めんたい☆キッド
「2003年にデビューして2005年まで、一度もプロレスで稼いだお金で生活できなかったので、金銭面的なところが気持ちを引退の方に導いた。」
そんな状況を救ったのが九州プロレスだった。
旗揚げした筑前りょう太理事長は同じ大学の先輩。九州で一番愛される名物レスラーになるようにと願い、めんたい☆キッドと名づけた。
そして、再びリングへと導いた。
■めんたい☆キッド
「プロレスが一番ぼくの心を揺さぶってくれたというか、またプロレスをやろうと。」
めんたい☆キッドの決断とは
九州プロレスは、これまで九州各地で年間50の興行やイベントを続けてきた。会場に足を運べない高齢者や障害者には、施設に出向き慰問活動を続けた。
■慰問先の高齢者
「また来てください。」
九州プロレス設立10周年のリングで、めんたい☆キッドはメインイベントを務めた。
■めんたい☆キッド
「10年間頑張ってきて、九州プロレスにいながら、勉強したというか、お客さんが導いてくれたと思っているので、逆にぼくたちが頑張れば、道は開くんだということを教えてもらえた。」
■めんたい☆キッド
「(めんたい☆キッドは)ぼくとお客さんで作り上げてきたキャラクターだと思うが、ここ数年、ぼくがそのキャラクターに見合った動きができなくなっているというのを、すごく感じることがあって。」
どんなにダメージを受けても、ただひたすらリングで戦う姿を目指した。それは、倒れても倒れても立ち上がり、チャンピオンに向かっていく姿。
■めんたい☆キッド
「今なら格好いいままの、めんたい☆キッドのキャラクターのままで、終わらせることができる。終わらせてあげられる。」
そして試合後、リング上でマイクを手にした。
■めんたい☆キッド
「皆さんにお伝えしたいことがあって、ちょっとだけぼくの話を聞いていただけたら。 めんたい☆キッド、来年5月いっぱいで引退します。2025年5月をもってプロレスを辞めます。」
これがレスラーめんたい☆キッドの、リングからの引き方だった。
■ファン
「まだめんたい、できるだろ!」
■めんたい☆キッド
「試合見て喜んでもらうというのが、楽しい部分でもあるので、(引退後も)お客さんの喜んでいる姿を感じることができる仕事をしたい。新しい道をつくっていきたい。」
■子どものファン
「めんたい、よく頑張ったね。」
■めんたい☆キッド
「今は引退するまでしっかりコンディションを整えて、最高のパフォーマンスをこれからの全部の試合に出せるように。」
「めんたい☆キッドは、引退するその日まで、九州ば元気にするバイ!」
めんたい☆キッド選手の引退試合は、2025年5月11日、福岡市東区の「福岡アイランドシティーフォーラム」で、観戦無料で行われます。