【懸命】「滑走路を眺めて休憩」「冷蔵庫に社食」「初売り遅くします」人材確保に企業があの手この手 福岡
多くの企業にとって大きな課題となっているのが、従業員の人手不足です。企業側は様々な工夫を凝らし、働き手の確保に向け懸命です。現状を取材しました。
■阿部まみアナウンサー
「飛行機が見えますね。滑走路を眺めながらゆったりできるこちらの場所、実は従業員の休憩スペースなんです。」
29日にリニューアルオープンする福岡空港で働く、従業員向けの休憩室です。
■阿部アナウンサー
「開放的なスペースですね。」
■福岡国際空港 経営企画本部・田原利枝さん
「木の温かみがあって、緑も豊かな快適な環境というところで、休憩室整備を行いました。」
宮崎の木材を使ったテーブルや、パーティション付きのソファーがあり、リフレッシュできる空間になっています。
これまでも休憩スペースはありましたが、横に喫煙所が併設されるなど、心安まる場所とは言えませんでした。。
休憩室を新しくした大きな理由の1つが、空港内で働く従業員の増加です。2026年度までに、国内線の駐車場跡地に商業施設やホテル、バスターミナルが一体となった複合施設が完成することに伴うものです。
■田原さん
「福岡空港はもっと多くの従業員が必要になったので、従業員の確保と定着を目的にして、職場環境を良くしようというところで、このような休憩所を整備しました。」
福岡空港では、コロナ禍で従業員が2割ほど減り、人材不足の状況が続いていましたが、現在はコロナ禍前まで戻りつつあり、定着を図ることも狙いです。
一方、福岡市内の薬局では。
■元木寛人アナウンサー
「午前11時前です。薬剤師の皆さん、処方箋の確認や薬の取りそろえなどの業務にあたっています。」
こちらの薬局、忙しさのピークは午前10時から午後3時で、ちょうどお昼時と重なります。
■タカラ薬局 薬剤師・上妻弘明さん
「患者さんの様子を見ながら、従業員みんなが交代で休憩を取っている形です。」
そんな職場の裏側を見せていただきました。
■上妻さん
「休憩室です。」
■元木アナウンサー
「畳が広がっていますが、奥に冷蔵庫がありますね。」
■上妻さん
「弊社の従業員が自由に食べられる“社食”です。」
休憩室に設置されていた冷蔵庫には、焼き芋や野菜のスープがありました。その名も「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」です。従業員の福利厚生の一つで、休憩時間に無料で利用でき、費用は全額、企業側が負担しています。タカラ薬局では、おととし10月から導入を始め現在、福岡県内の全62店舗に設置されています。
■上妻さん
「従業員の皆さんの日々のモチベーション、活力のアップ、栄養の補助という意味でも役立っていると思います。従業員で商品の情報を交換するなど、コミュニケーション、モチベーションのアップにもつながっている。」
営業日を見直す動きもあります。
■元木アナウンサー
「来年はヘビ年ということで、大丸では『ヘビーな福袋』、およそ9キロの重さがあります。この福袋、販売されるのは例年より一日遅い、1月3日からです。」
年始の風物詩、初売り。大丸福岡天神店を含む、全国の大丸松坂屋百貨店15店舗では毎年1月2日に行ってきましたが、来年は1月3日に遅らせることに決めました。取引先も含め、労働環境を向上させることが狙いです。
■大丸福岡天神店 広報・立石幸菜さん
「小売業全体的に、年末年始のお休みが少ないという背景があったので、従業員、取引先すべての皆様の働き方を改善するという点で、1月2日の休業を決定しました。しっかり休んで元気をつけて、またお客様に素晴らしいサービスを提供していただくことを望んでいます。」
人材不足が叫ばれる中、従業員の確保に向けた企業側の取り組みは、今後も拡大しそうです。