「めちゃくちゃ上がりたい!」園児から中学生まで子ども向けの麻雀教室 人気の背景は シリーズ【こどものミライ】
福岡市南区に住む原田航輔さん(7)は、両親と3人で暮らす小学1年生です。
リビングにあったのは、麻雀卓です。航輔さんは麻雀が大好きで、その手さばきと真剣な表情は大人顔負けです。
■原田航輔さん(小1)
「上がりたい!めちゃくちゃ上がりたい!」
興味を持ったきっかけは、父・大輔さんが持っていたあるものでした。
■父・原田大輔さん
「漫画が家にあって、子どもが読み始めました。いつの間にか自分で麻雀のことを覚えて、役も覚えていました。」
1980年代に連載された麻雀のプロを主人公とするギャグ漫画です。
■父・大輔さん
「自分の実家や妻の実家に行った時も、4人でお父さんたちとやる。ゲームもいいけど、実際に牌(パイ)を触って、みんなで卓を囲んで麻雀するのがいいかな。」
アナログの遊びを通じて、航輔さんにコミュニケーション力を身につけてほしいと考えています。
この日、原田さん一家が車で向かったのは。
■航輔さん
「イオンモール見えてきた。やっと着いた。」
福岡県粕屋町の商業施設で、2024年6月に開講した「子どもマージャン教室」です。子どもの集中力や思考力を高めるとして、いま全国的に広がっているといいます。
■父・大輔さん
「一人でずっと牌を触るぐらい麻雀が好きなら、同年代の子どもと一緒に打てた方が航輔も楽しいかなと。」
こちらの教室には現在、主に小・中学生の合わせて8人が通っています。教室の入り口には「目指せMリーガー」の文字。「Mリーグ」は、2018年に発足した麻雀のプロリーグです。高度な“頭脳スポーツ”として、対局はネットで中継され「令和の麻雀ブーム」の火付け役とされています。
福岡市西区から通っているというこちらの生徒は。
■岡村航太郎さん(小6)
「Mリーグの動画を見たりします。(将来の夢は)雀士とか。」
麻雀がテーマの漫画やアニメも、子どもたちのブームを後押ししています。こちらの教室を運営する会社でも、ことしに入って新たに福岡県内の3か所で教室を始めました。
■日本プロ麻雀連盟九州本部 阿部純平さん
「場所決めから始めましょうか。」
高学年、低学年に分かれ、人数が足りない場合は保護者が参加し、実践形式で授業が行われます。
■航輔さん(小1)
「ロン!」
■母・原田桜子さん
「上がられた。」
■ 阿部さん
「白(はく)と中(ちゅん)ですね。3900点。」
航輔さんは見事、母・桜子さんから上がりました。
こちらの女の子は、教室で最年少の幼稚園児です。
■青木葉月ちゃん(年長)
「(麻雀をやってみて)楽しい。上がることが楽しい。」
■葉月ちゃんの母
「麻雀は私が推して『やったらどう?』って。数に強くなると聞いたので。一生懸命覚えて、次に生かそうというのが増えたと思います。」
実は、麻雀をすると、子どものIQ=知能指数が上がるという研究結果も報告されています。脳神経外科医の東島威史さんは、麻雀教室に通い始めた子どもたちのIQが1年後にどう変化するかという論文を発表しました。
■脳神経外科医・東島威史さん
「特に言語理解と処理速度という、集中力を反映するような項目が伸びていました。麻雀は不確定要素があるので、やり始めの小さい子どもが上級生に勝ったりするのがいいところだと思います。」
90分間の授業が終わると、航輔さんは1学年上のお兄さんと楽しそうに話していました。
■航輔さん(小1)
「普通に麻雀してたら、いつの間にか。」
■高瀬愁さん(小2)
「友達になった。」
■父・大輔さん
「こんなに早くなじむと思っていなかった。まだ3回目か4回目なのに。」
教室で講師を務める阿部純平さんは、麻雀の負のイメージを払拭したいと話します。
■阿部さん
「お酒を飲んだり、たばこを吸ったり、お金を賭けたり。そのイメージが強いまま、私たち世代は麻雀をやっていること自体、親に煙たがられた。こういった教室を使っていろんな方に教えることで、払拭していけたらと思います。」
お年寄りから子どもまで幅広い世代で、楽しむことができる麻雀。教育における新たな選択肢の一つとして広がりつつあります。
※FBS福岡放送めんたいワイド2025年2月25日午後5時すぎ放送