シリーズ「こどものミライ」トップアスリートが体育の先生に 特別授業で子どもたちに伝えたこと 福岡
8日、福岡市博多区の東月隈小学校の体育館に集まったのは、3年生およそ80人です。そこに登場したのは。
■先生
「元アビスパ福岡、プロ選手、中払先生です。」
元Jリーガーの中払大介(なかはらい・だいすけ)さん(47)です。
■中払大介さん
「きょうは僕のことを“大ちゃん先生”と呼んでください。」
スポーツ庁などが2023年にスタートさせたプロジェクト「アスリーチ」。トップアスリートが“体育の先生”となって、特別授業を行う取り組みです。
2024年度は、オリンピック金メダリストの髙木菜那さんや、元メジャーリーガーの五十嵐亮太さんなどおよそ150人のアスリートが、全国の1000を超える学校でそれぞれ授業を行う予定です。
この日の中払さんの特別授業では、サッカーボールを使ったオリジナルのゲームで距離を縮めたところで、中払さんはプロサッカー選手になるまでの道のりを語り始めました。
■中払さん
「大ちゃん先生が小学校4年生の時にできたリフティングの数、7回。」
小学4年生の時に「プロサッカー選手になりたい」という夢を持ってサッカーチームに入ったものの、最初はチームで一番下手だったと話します。
■中払さん
「学校終わったらダッシュで家帰って、1時間ずっと毎日リフティングの練習するの。負けたくなかったから。そうしたら、4年生の2月の時に7回しかできなかったリフティングが1か月後、何回できたと思う。300回できるようになった。すごくない?」
2年後にはレギュラーを勝ち取り、憧れだった全国大会に出場しました。高校卒業後、アビスパ福岡に入団し「プロになる」という夢をかなえました。その後も、Jリーグで14年間にわたってプレーし、京都パープルサンガに所属していた2002年の天皇杯では優勝を果たしました。
■中払さん
「みんなも夢を見つけて、やらないといけないことに本気で取り組んだら、1か月で違う人になれる。」
夢を持つことで本気になれる。中払さんのメッセージは、子どもたちの心にしっかり届いたようです。
■3年生
「プロサッカー選手になりたい。リフティングとか、利き足じゃない足で強く蹴れるようになりたい。」「看護師になりたい。夢に向かって勉強とかを頑張ろうと思った。」
■中払さん
「何か一つ、本当にこれをやりたいというものを見つけてもらって、お父さん、お母さん、先生方も協力して、一人でも多くの夢をかなえる生徒が増えたら。」
子どもたちにとって、運動の楽しさを味わうだけでなく、夢を持つことの大切さを知る特別な時間になった「アスリーチ」。福岡県では今年度、27の学校にプロアスリートが訪問する予定です。