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特集「キャッチ」小倉にコーヒー農園を Z世代のアイデアを形にする「はみ出せ!コンテスト」補助金獲得への道 北九州市

2024年12月1日 7:03
特集「キャッチ」小倉にコーヒー農園を Z世代のアイデアを形にする「はみ出せ!コンテスト」補助金獲得への道 北九州市
特集「キャッチ」です。北九州市の20代の男性が、小倉にコーヒー農園を作ることを計画しています。狙いは、農業の現場に若者を呼び込むことです。計画実現のために奔走する男性の姿を追いました。

■コンテスト出場者
「全国にこんな町ない、だけど知らないみたいな。これ、ポテンシャルだと思っているんですよね。」
「同じ服装をして集まるというイベントが、北九州市にもあったらおもしろそうだと思いませんか。」

10月、北九州市で「Z世代はみ出せ!コンテスト」が行われました。Z世代と呼ばれる若者たちから独創的なアイデアを引き出し、事業化を支援しようという北九州市のプロジェクトです。選ばれると最大300万円の補助金が得られます。

そこにチャレンジした、上野烈(たけし)さん(28)です。

■上野烈さん
「Z世代農業代表、上野烈と申します。私は北九州市のビニールハウスで、国産コーヒー豆を作ろうと思っています。」

国産コーヒー豆の栽培で、北九州の農業に新たな風を巻き起こしたいと臨みました。

上野さんは4年前から、北九州市小倉南区で花や野菜の苗などを販売する実家の園芸店に勤務しています。多くの人に農業に触れてもらおうと自ら企画して、おととしから体験農園を始めました。

■体験した人
「チシャを植えるなら?」
■上野さん
「チシャを植えるなら、端っこがいいですね。」

■上野さん
「町で暮らしていると自然に触れる機会が少ないと思うので、自然に触れながら自分で作った野菜を食べる。それができるのが良さだと思います。」

祖父の代から65年続く店で、上野さんは幼いころから農業に慣れ親しんできました。大人になり、時代が変わる中で実感していることがあります。

■上野さん
「高齢化です。年を取って農業ができなくなったとか。なんとかしたいですけどね。」

ともに農業に携わる若い世代を増やしたい。そう考えていた時、岡山県にコーヒー農園があることを知りました。イベントで出会った農園の従業員との会話の中で、コーヒー豆の栽培が国内でもビニールハウスを使ってできること、コーヒー豆の相場は1キロ2万円と農産物としては収益性が高いことを知り、コーヒー豆の栽培は若者向けの農業なのではないかと、ひらめきました。

■上野さん
「きついのに、もうからないというイメージがある。それが農業に若者が入ってきにくい大きな原因だと思うので、大きくもうかるチャンスがありそうなコーヒーを作れば、良い方向に連鎖が進んでいくのではという期待はしていて。」

ただ、国産コーヒー豆の苗木は1本5万円で、初期投資の大きさが行く手を阻んでいました。そんな若者を救うイベントを、北九州市が打ち出しました。それが「Z世代はみ出せ!コンテスト」です。新たな事業のアイデアを若者にプレゼンしてもらい、上位3人には市から最大300万円の補助金を出すというものです。

■北九州市Z世代課・柏木佳奈子 課長
「若い方のアイデアを市全体、町ぐるみで応援して、北九州ならチャレンジできる、北九州だからチャレンジできたという町を作りたいということで、コンテストを実施しています。」

上野さんは迷わず応募しました。提案する事業のタイトルは「小倉珈琲園プロジェクト」です。プレゼンを前に、熱い思いを言葉にする練習に励みました。本番までは、市が派遣した指導者が並走してくれます。

■上野さん
「もしもですよ、北九州が全国に先駆けて、国産コーヒー豆の産地ですという生産体制を整えることができたら、大きな先行者利益が取れると思いませんか。」
■指導者
「プレゼンの中では私が稼いだらついてくるみたいに、私は受け止めたのですが、若者が参入できるという内容をもうちょっと膨らませてもらった方が、きっといいなと思いました。」

本番前日の夜。

■上野さん
「(あすは)ターニングポイントになる。ここでしっかり取って、やりたいですね、コーヒー農園。」

そして、本番の日。

■上野さん
「まず、私がしっかりとコーヒー豆を作りまして、北九州でのコーヒーの作り方、売り方を頑張って形を作ります。若者が始めやすい体制を整えます。そうすることで、北九州、農業界に若者が入ってきて若者不足が解決する。生産量が増えれば、国産コーヒーという名産品が増える。」

コンテストでは、北九州市の新たなお土産を開発する事業や、成人式をVR=仮想現実で派手に盛り上げる事業など、個性豊かなプレゼンが続きました。そして、審査発表です。

■発表者
「第2位は、上野烈さんです。」

見事入賞し、市の補助金を受けられることになりました。

■上野さん
「コーヒーも、もともと一人でやろうかと思っていたところを、これだけの人に応援してもらえるようになったので、ありがたい機会でした。」

コンテストからおよそ1か月後、上野さんは知人から借りたビニールハウスで準備を進めていました。

■上野さん
「ここでコーヒー豆を作ろうと思っています。」

土壌を整えた後、来年3月にコーヒーの苗木を植えるのが目標です。

■上野さん
「めちゃくちゃワクワクしています。」

思い描く夢の入り口に立った上野さん。同世代の若者を農業の世界に呼び込むため、前に進み始めました。

※FBS福岡放送めんたいワイド2024年11月27日午後5時すぎ放送

最終更新日:2024年12月1日 7:03
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