特集「キャッチ」小倉にコーヒー農園を Z世代のアイデアを形にする「はみ出せ!コンテスト」補助金獲得への道 北九州市
■コンテスト出場者
「全国にこんな町ない、だけど知らないみたいな。これ、ポテンシャルだと思っているんですよね。」
「同じ服装をして集まるというイベントが、北九州市にもあったらおもしろそうだと思いませんか。」
10月、北九州市で「Z世代はみ出せ!コンテスト」が行われました。Z世代と呼ばれる若者たちから独創的なアイデアを引き出し、事業化を支援しようという北九州市のプロジェクトです。選ばれると最大300万円の補助金が得られます。
そこにチャレンジした、上野烈(たけし)さん(28)です。
■上野烈さん
「Z世代農業代表、上野烈と申します。私は北九州市のビニールハウスで、国産コーヒー豆を作ろうと思っています。」
国産コーヒー豆の栽培で、北九州の農業に新たな風を巻き起こしたいと臨みました。
上野さんは4年前から、北九州市小倉南区で花や野菜の苗などを販売する実家の園芸店に勤務しています。多くの人に農業に触れてもらおうと自ら企画して、おととしから体験農園を始めました。
■体験した人
「チシャを植えるなら?」
■上野さん
「チシャを植えるなら、端っこがいいですね。」
■上野さん
「町で暮らしていると自然に触れる機会が少ないと思うので、自然に触れながら自分で作った野菜を食べる。それができるのが良さだと思います。」
祖父の代から65年続く店で、上野さんは幼いころから農業に慣れ親しんできました。大人になり、時代が変わる中で実感していることがあります。
■上野さん
「高齢化です。年を取って農業ができなくなったとか。なんとかしたいですけどね。」
ともに農業に携わる若い世代を増やしたい。そう考えていた時、岡山県にコーヒー農園があることを知りました。イベントで出会った農園の従業員との会話の中で、コーヒー豆の栽培が国内でもビニールハウスを使ってできること、コーヒー豆の相場は1キロ2万円と農産物としては収益性が高いことを知り、コーヒー豆の栽培は若者向けの農業なのではないかと、ひらめきました。
■上野さん
「きついのに、もうからないというイメージがある。それが農業に若者が入ってきにくい大きな原因だと思うので、大きくもうかるチャンスがありそうなコーヒーを作れば、良い方向に連鎖が進んでいくのではという期待はしていて。」
ただ、国産コーヒー豆の苗木は1本5万円で、初期投資の大きさが行く手を阻んでいました。そんな若者を救うイベントを、北九州市が打ち出しました。それが「Z世代はみ出せ!コンテスト」です。新たな事業のアイデアを若者にプレゼンしてもらい、上位3人には市から最大300万円の補助金を出すというものです。
■北九州市Z世代課・柏木佳奈子 課長
「若い方のアイデアを市全体、町ぐるみで応援して、北九州ならチャレンジできる、北九州だからチャレンジできたという町を作りたいということで、コンテストを実施しています。」