【インフルエンザ】「爆発的に流行」福岡で警報レベル続く A型がピーク→今後はB型が増加? 患者数は過去10年で最多 薬の供給に懸念も
インフルエンザの感染者が全国的に急増し、福岡県では警報レベルが続いています。福岡市内の内科の医師は「感染者が爆発的に増えている」と危機感を強めています。
9日、福岡市西区のクリニックでは。
■看護師
「マスクを鼻の下までずらしてもらって。綿棒2回入れますので。」
隔離された場所で、40代の男性がインフルエンザの検査を受けていました。
■患者
「きのうの夜は39度5分まで上がりました。周りにいましたね、インフル。」
およそ10分後。
■井上さとし内科・井上聡 院長
「インフルエンザA型が出ていますね。」
インフルエンザA型と診断されました。このクリニックには連日多くの患者が訪れていて、医師は対応に追われています。
■井上院長
「去年の暮れから、かなり爆発的にインフルエンザが流行していて、発熱外来で40人くらい診ている中でインフルエンザは30人以上はいる。」
福岡県の定点把握では、インフルエンザの感染者は12月29日までの1週間で1医療機関あたり80.94人で、前の週と比べ1.35倍に増えました。警報レベルの30人を大幅に超えた状況が続いています。
■インフルエンザ感染者
「きのうから熱が出ていたので、休んで検査に行ってこいと。しんどいはしんどいですね。」
このクリニックではインフルエンザA型の患者がピークを迎えていますが、年明け以降、変化があるといいます。
■井上院長
「発熱は少しで、胃腸障害みたいな症状ですね、下痢とか。この方はB型じゃないのかなという患者さんがちらほらといる。」
発熱やのどの痛み、鼻水などの症状があるA型のほかに、吐き気や下痢などの症状が特徴的なB型が1月下旬から増えてくるのではないかと危機感を持っています。
こうした中、薬局では別の懸念要素がありました。
■野間薬局 野方店・小田原遥さん
「先日、新規で(薬を)発注したら、ちょっと今は入らないという話を聞いたので、ちょっと入りづらくはなっている状態ですね。」
治療薬「タミフル」のジェネリック医薬品を製造する沢井製薬は7日、インフルエンザの急激な流行拡大で薬の需要が想定を上回り、製造が追いつかないとして一時的に供給を停止すると発表しました。薬の供給の再開時期は、カプセルが2月上旬、ドライシロップは1月下旬となる見込みです。
こちらの薬局ではインフルエンザの薬は他にもあるため、すぐに影響はないということですが、不安は残っています。
■小田さん
「今までで一番忙しい。このまま入らない状態が続くと、お渡しできないかなという状況です。」
まだまだピークが続くとみられているインフルエンザ。福岡県は引き続き、手洗い・うがい、マスク着用など基本的な感染対策を呼びかけています。
厚生労働省は9日、12月29日までの1週間に全国の医療機関から報告されたインフルエンザの定点把握での患者数を発表しました。患者数は、31万7812人で同じ時期としては過去10年で最多です。