2024年5月、「フォーカス徳島」では「とくしま動物園 STELLA PRESCHOOL ANIMAL KINGDOM」のアミメキリン「はっさく」のお披露目に向けた奮闘記を放送しました。

その後の状況はいかに?

新たな環境で奮闘中の「はっさく」を取材しました。

アミメキリンのオス「はっさく」は、2024年3月、広島県の福山市立動物園からとくしま動物園にやってきました。

当初は、ゴールデンウィークでのお披露目を予定していましたが、臆病な性格もあってか、いまだ展示場でその姿を見ることはできません。

5月に「はっさく」を取材した時は、展示場の入口で呼びかける飼育員の兒島さんを尻目に引き返していた「はっさく」、しかしあれから約半年、今回の取材では...兒島さんの呼びかけに応えながらスムーズに通路内を行き来するはっさくの姿がありました。

展示に向けて確実に前進している「はっさく」ですが、展示場に入るあと一歩が遠いのが現状の中、9月に「はっさく」の環境に大きな変化が訪れました。

とくしま動物園では、「はっさく」が来て以降繁殖相手を探していましたが、そのパートナーがやってきました。

同じアミメキリンのメスで、東京都の多摩動物園からきた「アリス」です。

「アリス」は「はっさく」より3つ下の2歳、物怖じをしない性格です。

その日に対面した2頭はすぐにお互いの顔を近づけるなどしてコミュニケーションを取り、今は同じ獣舎で仲良く暮らしています。

そして、展示に向けたトレーニングも転機を迎えていました。

飼育員の兒島さんは「アリス」を先に展示場に出して、「はっさく」を次に出せればと考えています。

今、この2頭の展示に向けて行われているトレーニングでは、まず最初に「アリス」が先頭を切る形で展示場に入ります。

そして、それを追いかけるように「はっさく」も展示場に入らせる作戦です。

しかし、展示場までの通路が狭いため、2頭が同時に進み「アリス」が引き返すと衝突する可能性があります。

このため、「はっさく」は「アリス」が展示場に入るまで獣舎前で待機です。

キリンは、本来、群れで行動をする動物、その特性を活かした方法です。

休園日のこの日もカピバラを端に寄せ、そして展示場につながるゲートが開かれトレーニングが始まりました。

開始から間もなく、兒島さんの呼びかけに反応しながら通路中央付近に「アリス」がやってきました。

少しずつエサを与えながら展示場に誘導します。

しかし...どうして「はっさく」は来ないの?「アリス」はそんな表情で「はっさく」の方に振り返り、引き返してしまいました。

この後も飼育員や獣医師らスタッフ5人が見守る中でトレーニングは続けられましたが、この日、「アリス」が中央付近から先に足を進めることはありませんでした。

「はっさく」がとくしま動物園にやってきて8か月、「一般公開はまだなのか」という声もたくさんあるようですが、兒島さんは、動物の安全を第一にトレーニングを進めていきたいとしています。

警戒心が強く神経質な動物と言われているキリン、「はっさく」と「アリス」があと1歩を踏み出す勇気をみんなが待っています。

展示場で「はっさく」と「アリス」が仲睦まじく歩く姿を早く観たいものですね。