「パン・オブ・ザ・イヤー」で日本一! 注目のブーランジェが北島へ【徳島】
パン好きが選ぶ「パン・オブ・ザ・イヤー」で日本一に輝いたパン職人が2024年3月、北島町にお店をオープンさせました。
そこには、かつて同じ職場で働いた仲間との深い絆がありました。
香ばしく焼きあがったバゲットやクリームパン、メロンパンなど美味しそうなパンが次々と窯から出てきます。
(豊成春子アナウンサー)
「幸せの香りが鼻を抜けます」
パン職人の朝倉誠二さん、49歳です。
東京に店を構え、テレビでも紹介された注目のブーランジェですが、そんな朝倉さんが今月、北島町に新たな店をオープンさせました。
その名も「キタジマベーカリー」です。
(豊成春子アナウンサー)
「オープン30分前です。駐車場はもう満車になっていて、見てください!
店の前にはなが~い列ができています、みなさんオープンを待ちわびています」
(オープンを待つお客さん)
「全国のテレビ番組でなんかやってたので、徳島でオープンするってことで
楽しみにしてました」
キタジマベーカリー朝倉誠二オーナーシェフ(49)
「大変、お待たせしました。キタジマベーカリーオープンいたします。
よろしくお願いします」
オープン初日、広さ4坪ほどの売り場は、すぐ人でいっぱいになりました。
あんパンや総菜パンなど20種類以上が焼きあがると、並べられたそばから、お客さんが手にとっていきます。
(お客さん)
「すごい雰囲気よくていっぱいあったので迷いました」
「いっぱい買ってるじゃないですか?」
「とても楽しみにしてたのでせっかくだからと思って買わせていただきました」
大阪生まれの朝倉さんは、親の仕事の関係から青春時代を徳島で過ごしました。
このため自らを「徳島出身」と称するほどです。
そんな朝倉さん、高校時代のアルバイトをきっかけにパンの道へ。
鳴門市のお店ではパンの製造を任されました。
26歳でバゲットの本場・フランスに渡ると、天才と呼ばれるパン職人たちの店に飛び込みで入って腕を磨きました。
そして帰国後の2008年、東京・高輪に自分の店「セイジアサクラ」をオープン。
2015年には、パン好きが選ぶ「パン・オブ・ザ・イヤー」のカレーパン部門で見事、金賞に輝きました。
(キタジマベーカリー朝倉誠二オーナーシェフ(49))
「みんなが揚げたカレーパンをカレーパンというんですけど、
本来パンって焼いてるんで、揚げたカレーパンはカレードーナツじゃないの?
ということで」
朝倉さんの自信作!特別に焼き立てをいただくことができました。
(豊成春子アナウンサー)
「ん~、パン生地がやっぱりなんといっても香りがよくて、
上のチーズがカリカリで中にトロトロのチーズが隠れているんです!
スパイシーなカレーと相まって美味しすぎます」
朝倉さんが、パン作りで特にこだわるのは生地の発酵に必要な酵母です。
店では、ホップやブドウといった材料のほか、木頭のユズからも酵母を作っています。
(キタジマベーカリー朝倉誠二オーナーシェフ(49))
「徳島県民だからユズ使ったではなくて、いろんな柑橘類を使っていろいろと
試してきたんです。もちろんスダチとかレモンとかやっぱり一番おいしかったのが
ユズになるんです」
酵母はパンの種類によって使い分けています。
ユズ酵母のパンはチョコレートとの相性がいいんだそうです。
(豊成アナ&朝倉さん)
「うわっ、香りする木頭ゆずの爽やかな香りがまず鼻を抜けていきます」
「ユズの酵母に合うパンってなんだろう?って考えた。
そうしたらチョコレートにオレンジって組み合わせあるじゃないですか?
オランジェット。じゃぁチョコレートに必ずユズって合うだろうと思って」
朝倉さんが徳島で店を開くことを決めたのは長年、親交のあるかつての同僚がいたからでした。
(キタジマベーカリー朝倉誠二オーナーシェフ(49))
「元々、僕のパン作りのスタートラインは彼と一緒にやってきたんです。
僕の目指すパンというのがこの徳島で再現できた」
この店でシェフを務める宮崎敏史さん、51歳です。
約30年前、鳴門のカフェで朝倉さんと一緒にパン作りに励みました。
その後は県内の会社でパンの製造を任されていましたが、今後の人生を考えていた時、ちょうど朝倉さんに声をかけられ共に店を開くことを決めました。
(キタジマベーカリー宮崎 敏史 シェフ(51))
「やるのなら彼しかいないと僕も思ってたので」
「それは今までの二人の信頼や時間があったから?」
「そうですね、もちろんそれもありましたし、
もしも他からのオファーだとたぶん受けてなかったかも」
実は、店で使う酵母にも二人の思い出が詰まっています。
(キタジマベーカリー朝倉誠二オーナーシェフ(49))
「約30年前に、僕と宮崎シェフが一緒にパンを作ってた時に使用してた種をおこした
酵母をどんどんずっと継ぎ足して作った酵母が、二人の原点がここにあるんです」
そのブドウ酵母で作るのが朝倉さんのフランス修行の集大成である「バゲット」。
こちらも、「パン・オブ・ザ・イヤー」で金賞に輝きました。
「こんな香り高いフランスパン初めて食べてビックリした」
「僕の中ではブドウ酵母の旨みを最大限引き出す、酵母の美味しさを引き出すのに
せまったバゲットになります」
新しい店は去年末から準備を進め、ステンドグラスなどはフランスのアンティークショップから取り寄せました。
宮崎シェフのほかにもかつての仲間がスタッフに加わるなど準備は順調に進みました。
しかし、オープン当日の朝。
(キタジマベーカリー朝倉誠二オーナーシェフ(49))
「マジっすか?ヤバいすね」
3段あるオーブンの1段が壊れて、使えなくなりました。
メーカーに問い合わせてもすぐには解決できません。
しかしそこは、これまで数々の修羅場を乗り越えてきた朝倉さんたち。
残ったオーブンで効率よくパンを焼き、開店にこぎつけました。
(宮崎さん&朝倉さん)
「朝倉とできたのも何かの縁ですので、北島のみなさん徳島のみなさんに
愛されるよう私たちは頑張ります」
「最高のサービスしましょう、最高のパンを焼きましょう、はい、いきまーす、
いらっしゃいませ、どうぞ」
この日は、オーブンの故障にも関わらず約1500個のパンが、焼かれ飛ぶように売れていきました。
最初は緊張していたスタッフもすぐに慣れたようでした。
(キタジマベーカリー朝倉誠二オーナーシェフ(49))
「ようやくここに来たので、なんかこみ上げる気持ちがこみ上げるものがありました。
北島に住んでるお客さんの食事となり生活に寄り添うような、
そんなパンが作れていけたらという感じ毎日焼けていけたらなという感じ」
かつての仲間との絆が日本一のパン職人を北島町へ呼び寄せました。
友情が、このベーカリー最高の隠し味。
※定休日などお店の情報はインスタグラムで確認してください。
(了)
そこには、かつて同じ職場で働いた仲間との深い絆がありました。
香ばしく焼きあがったバゲットやクリームパン、メロンパンなど美味しそうなパンが次々と窯から出てきます。
(豊成春子アナウンサー)
「幸せの香りが鼻を抜けます」
パン職人の朝倉誠二さん、49歳です。
東京に店を構え、テレビでも紹介された注目のブーランジェですが、そんな朝倉さんが今月、北島町に新たな店をオープンさせました。
その名も「キタジマベーカリー」です。
(豊成春子アナウンサー)
「オープン30分前です。駐車場はもう満車になっていて、見てください!
店の前にはなが~い列ができています、みなさんオープンを待ちわびています」
(オープンを待つお客さん)
「全国のテレビ番組でなんかやってたので、徳島でオープンするってことで
楽しみにしてました」
キタジマベーカリー朝倉誠二オーナーシェフ(49)
「大変、お待たせしました。キタジマベーカリーオープンいたします。
よろしくお願いします」
オープン初日、広さ4坪ほどの売り場は、すぐ人でいっぱいになりました。
あんパンや総菜パンなど20種類以上が焼きあがると、並べられたそばから、お客さんが手にとっていきます。
(お客さん)
「すごい雰囲気よくていっぱいあったので迷いました」
「いっぱい買ってるじゃないですか?」
「とても楽しみにしてたのでせっかくだからと思って買わせていただきました」
大阪生まれの朝倉さんは、親の仕事の関係から青春時代を徳島で過ごしました。
このため自らを「徳島出身」と称するほどです。
そんな朝倉さん、高校時代のアルバイトをきっかけにパンの道へ。
鳴門市のお店ではパンの製造を任されました。
26歳でバゲットの本場・フランスに渡ると、天才と呼ばれるパン職人たちの店に飛び込みで入って腕を磨きました。
そして帰国後の2008年、東京・高輪に自分の店「セイジアサクラ」をオープン。
2015年には、パン好きが選ぶ「パン・オブ・ザ・イヤー」のカレーパン部門で見事、金賞に輝きました。
(キタジマベーカリー朝倉誠二オーナーシェフ(49))
「みんなが揚げたカレーパンをカレーパンというんですけど、
本来パンって焼いてるんで、揚げたカレーパンはカレードーナツじゃないの?
ということで」
朝倉さんの自信作!特別に焼き立てをいただくことができました。
(豊成春子アナウンサー)
「ん~、パン生地がやっぱりなんといっても香りがよくて、
上のチーズがカリカリで中にトロトロのチーズが隠れているんです!
スパイシーなカレーと相まって美味しすぎます」
朝倉さんが、パン作りで特にこだわるのは生地の発酵に必要な酵母です。
店では、ホップやブドウといった材料のほか、木頭のユズからも酵母を作っています。
(キタジマベーカリー朝倉誠二オーナーシェフ(49))
「徳島県民だからユズ使ったではなくて、いろんな柑橘類を使っていろいろと
試してきたんです。もちろんスダチとかレモンとかやっぱり一番おいしかったのが
ユズになるんです」
酵母はパンの種類によって使い分けています。
ユズ酵母のパンはチョコレートとの相性がいいんだそうです。
(豊成アナ&朝倉さん)
「うわっ、香りする木頭ゆずの爽やかな香りがまず鼻を抜けていきます」
「ユズの酵母に合うパンってなんだろう?って考えた。
そうしたらチョコレートにオレンジって組み合わせあるじゃないですか?
オランジェット。じゃぁチョコレートに必ずユズって合うだろうと思って」
朝倉さんが徳島で店を開くことを決めたのは長年、親交のあるかつての同僚がいたからでした。
(キタジマベーカリー朝倉誠二オーナーシェフ(49))
「元々、僕のパン作りのスタートラインは彼と一緒にやってきたんです。
僕の目指すパンというのがこの徳島で再現できた」
この店でシェフを務める宮崎敏史さん、51歳です。
約30年前、鳴門のカフェで朝倉さんと一緒にパン作りに励みました。
その後は県内の会社でパンの製造を任されていましたが、今後の人生を考えていた時、ちょうど朝倉さんに声をかけられ共に店を開くことを決めました。
(キタジマベーカリー宮崎 敏史 シェフ(51))
「やるのなら彼しかいないと僕も思ってたので」
「それは今までの二人の信頼や時間があったから?」
「そうですね、もちろんそれもありましたし、
もしも他からのオファーだとたぶん受けてなかったかも」
実は、店で使う酵母にも二人の思い出が詰まっています。
(キタジマベーカリー朝倉誠二オーナーシェフ(49))
「約30年前に、僕と宮崎シェフが一緒にパンを作ってた時に使用してた種をおこした
酵母をどんどんずっと継ぎ足して作った酵母が、二人の原点がここにあるんです」
そのブドウ酵母で作るのが朝倉さんのフランス修行の集大成である「バゲット」。
こちらも、「パン・オブ・ザ・イヤー」で金賞に輝きました。
「こんな香り高いフランスパン初めて食べてビックリした」
「僕の中ではブドウ酵母の旨みを最大限引き出す、酵母の美味しさを引き出すのに
せまったバゲットになります」
新しい店は去年末から準備を進め、ステンドグラスなどはフランスのアンティークショップから取り寄せました。
宮崎シェフのほかにもかつての仲間がスタッフに加わるなど準備は順調に進みました。
しかし、オープン当日の朝。
(キタジマベーカリー朝倉誠二オーナーシェフ(49))
「マジっすか?ヤバいすね」
3段あるオーブンの1段が壊れて、使えなくなりました。
メーカーに問い合わせてもすぐには解決できません。
しかしそこは、これまで数々の修羅場を乗り越えてきた朝倉さんたち。
残ったオーブンで効率よくパンを焼き、開店にこぎつけました。
(宮崎さん&朝倉さん)
「朝倉とできたのも何かの縁ですので、北島のみなさん徳島のみなさんに
愛されるよう私たちは頑張ります」
「最高のサービスしましょう、最高のパンを焼きましょう、はい、いきまーす、
いらっしゃいませ、どうぞ」
この日は、オーブンの故障にも関わらず約1500個のパンが、焼かれ飛ぶように売れていきました。
最初は緊張していたスタッフもすぐに慣れたようでした。
(キタジマベーカリー朝倉誠二オーナーシェフ(49))
「ようやくここに来たので、なんかこみ上げる気持ちがこみ上げるものがありました。
北島に住んでるお客さんの食事となり生活に寄り添うような、
そんなパンが作れていけたらという感じ毎日焼けていけたらなという感じ」
かつての仲間との絆が日本一のパン職人を北島町へ呼び寄せました。
友情が、このベーカリー最高の隠し味。
※定休日などお店の情報はインスタグラムで確認してください。
(了)