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子育て支援制度「ファミリー・サポート・センター」を知っていますか?その現状は【徳島】

2024年2月15日 20:30
子育て支援制度「ファミリー・サポート・センター」を知っていますか?その現状は【徳島】

「ファミリー・サポート・センター」という事業をご存知ですか?



ファミリー・サポート・センターは「子育てのサポートが欲しい人」とそれに「協力できる人」とをマッチングさせるサービスで「ファミサポ」とも呼ばれています。

ファミサポの対象となるのは0歳から小学6年生までで、国と県、各市町村がそれぞれ事業費を3分の1ずつ負担して運営しています。

実施主体は市町村で、徳島県内では13のファミサポが全市町村をカバーしています。

ファミサポでは、「急な仕事で子どもの面倒を見られない」「習い事の送迎をしてほしい」など子育てに関する様々な悩みをサポートしてもらえます。

利用するにはまず、保護者がファミサポに登録して「依頼会員」となります。

一方、サポートする側の人は「提供会員」として登録します。

これまでは保護者である依頼会員がサポートしてくれた提供会員に直接、一定の報酬を支払っていましたが、今、一部の市町村ではファミサポが間に入って利用料金を値下げし、報酬を増額する動きが広まりつつあります。

今回の取り組みについて関係者はどう感じているのか現場を取材しました。



■提供会員をしている女性が向かったのは




徳島市など7市町村を管轄する徳島ファミリー・サポート・センターで、提供会員をしている野田展子さんです。

(ファミサポ提供会員 野田展子さん)
「とりあえず、お帰りになってからのご飯までの準備の間、お世話を頼まれている」

この日は赤ちゃんがいる家庭のサポートに同行させてもらいました。


(ファミサポ提供会員 野田展子さん)
「こんにちは~きょうはよろしくお願いします」

訪ねたのは徳島市の鴻野さん宅。1歳の双子、翼ちゃんと楓夏ちゃんの育児に奮闘中です。

野田さんは平日はほぼ毎日、夕食の時間帯に1時間ほどサポートをしています。

(ファミサポ提供会員 野田展子さん)
「何色がいい?翼くんどうぞ、お絵かきしよう。上手!できたできた!」

(育児のサポートを依頼する 鴻野健太さん)
「(Q.可愛さは2倍?)そうですね。(可愛さ)倍、大変さも倍、倍どころじゃないか」

鴻野さん夫妻は共働きで、2人の子どもが生後1か月のころからファミサポを利用しています。

(育児のサポートを依頼する 鴻野健太さん)
「最初利用するにあたって、他人に任せるのは抵抗があったけど、やっぱり来てもらってすごい安心して、ずっと週4回ぐらい来てもらっているので、非常に助かっています」

野田さんとパパが手分けして一人ずつ面倒を見ている間にママが夕飯の支度をします。

(育児のサポートを依頼する 母・舞依さん)
「(野田さんが)おらんかったらもうギャーギャー言いながら料理している。(野田さんがいないと)一人になるので、そしたらまた泣くのでありがたい」

野田さんのサポートもあり、2人は手早く夕飯を終えることができました。

(ファミサポ提供会員 野田展子さん)
「一人だと絶対子育てはできない。皆の愛を受けて育っていくと思うので」



■この制度に利用料金を見直す動きが広がる




徳島県内では1999年に始まったファミサポ制度ですがいま、利用料金を見直す動きが広がっています。

徳島市では去年、このために80万円の予算を計上しました。

この補助を受けて、徳島ファミサポは今年から保護者が支払う利用料金をこれまでの1時間700円から500円に値下げ、逆にサポートする側の報酬をこれまでの700円から900円にアップさせました。

(鴻野健太さん)
「経済的な負担が少しでも金額面でも下がれば使いやすいというか、思い切って利用できるかなと感じる」

この料金見直しは、徳島市だけでなく小松島市、石井町などの住民も対象です。

(ファミサポ提供会員 野田展子さん)
「やっぱりありがとうと言われるのが一番だけど、家族の中が柔らかい感じになるのが見て分かるので、その時は嬉しいと感じる」


■ファミサポの現状と課題

徳島ファミサポでは、自宅を訪問するサポートのほか、徳島市昭和町の事務所で子どもを預かるサロンも運営しています。

坂東玲子所長代行は、少しでも保護者の負担軽減に繋がればと話します。

(徳島ファミリー・サポート・センター 坂東玲子 所長代行)
「徳島にファミサポができて25年に今年なるが、ほとんど料金は変わって無かったけど、やっとここに来て徳島の最低賃金に近いものになった。募集しやすいので、それはありがたいと思っている」

料金が見直された1月は問い合わせが相次ぎ、依頼会員に32件の新規登録がありました。

この日もサポートを必要とする保護者が事務所を訪れていました。

(石井町在住 40代の母親)
「いま7か月です。男の子です。(父母ともに)仕事をしているというのもあって、どうしても預けたいときもあるので、こういうサポートがあるのはありがたいと思って、今回来させてもらった」

保護者にとっては、利用しやすくなった一方、坂東所長代行は「サポートする側」の確保に悩まされていると言います。

これは過去十年間の新規登録者数の推移です。

サポートを必要とする依頼会員は2014年の146人から2021年以降、200以上に増加しています。

一方、サポートする側の提供会員は最も少ない年では23人しかおらず、依頼会員の10分の1程度しかいません。

(徳島ファミリー・サポート・センター 坂東玲子 所長代行)
「深刻です。なかなかそれぞれの依頼があっても、きっちりその方たちに対応できない場合があるので、提供会員といっても動いてくれる方が多ければ多いほどありがたい」

提供会員になるのに特別な資格はいりません。

「子供が好きでサポートしたい」と考える人なら安全や事故対策の講習を受けさえすれば、提供会員になれます。

サポートを必要とするすべての保護者のニーズにこたえられるよう、提供会員の確保が今後の課題です。

(徳島ファミリー・サポート・センター 坂東玲子 所長代行)
「ずっと増やすようにはいろいろ考えてしてきたけど、なかなか増えていかない状況だったので、報酬がちょっと上がったということは、多少はそれに繋がっていけたらなという期待はあります」

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