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【異例】戸畑祇園大山笠の1つが「不参加」を表明 背景に過去の不祥事 事務局「時期尚早という意見が」ユネスコの無形文化遺産に何が 北九州市

2024年7月1日 19:12
【異例】戸畑祇園大山笠の1つが「不参加」を表明 背景に過去の不祥事 事務局「時期尚早という意見が」ユネスコの無形文化遺産に何が 北九州市
異例の「不参加」

「提灯山(ちょうちんやま)」の愛称で親しまれ、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている戸畑祇園大山笠が7月26日から28日の3日間、行われます。その目玉である「競演会」に、4つある大山笠のひとつ「天籟寺(てんらいじ)」が参加しないことを発表しました。異例の「不参加」の理由とは。

1日午前、北九州市の戸畑区役所には、競演会の観覧席の入場券を買い求める人の姿がありました。

■購入した人
「17枚買いました。もう10年以上取っています。絶対、真ん前で見ないと気が済まないので。戸畑っ子ですから。」

4つの大山笠のうちの1つが、参加しないことを知った人は。

■市民
「いや、知らなかった。本当ですか。なんでやろか。」

2023年、4年ぶりに開催された戸畑祇園大山笠の「競演会」。12段、309個の提灯に彩られた4つの大山笠は、「提灯山」や「光のピラミッド」の愛称で親しまれ、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。

しかし。2024年6月30日。

■天籟寺大山笠・藤本和己 総代表
「私ども天籟寺大山笠は本年度は戸畑祇園競演会には出場しない、辞退するという結果になりました。」

祭りの目玉、4つの大山笠が勢ぞろいする「競演会」に、天籟寺大山笠が参加しないと表明したのです。

その理由は、競演会を実施する振興会に天籟寺が要望していた「山笠関係者の振興会役員入り」が認められなかったためです。現在、振興会の役員に山笠の関係者は一人も入っていません。

振興会事務局によりますと、2018年、工藤会系の暴力団組長の長寿を祝う宴会に、戸畑祇園大山笠の各山笠の総代表4人を含む、振興会の関係者6人が出席していたことが発覚しました。

これを受け、山笠関係者は振興会の役職を辞任し、再発防止のため山笠関係者は運営に直接関わらない仕組みに変わり、行政や自治会などの関係者が役員を務めています。

山笠関係者の役員復帰を求める要望に対し、振興会は。

■戸畑祇園大山笠振興会・松下修祐 事務局長
「時期尚早ではないかという意見があります。数件ではあるが、それを理由に協賛をしてもらえないケースもあったので、まだ市民や企業の中には問題意識を持っている方もいるのではないかと思っています。」

「4基並んだ姿が見たい」

■天籟寺大山笠 ・本城健二 青年相談役
「どれぐらいの苦情のレベルになったら、役員として以前のように入っていけるのですかという問いかけもしています。その2・3件の意見(苦情)が0にならないとダメなのか。ちょっと私たちもクエスチョンの部分はあります。」

観覧席を購入に訪れた人は。

■山笠の関係者
「やっぱり山笠関係者が振興会の中にいないと、会議とか運営上、厳しいのではないかと思う。いろいろなことはあるとは思いますが、なんとか和解してもらいたい。」

■市民
「今後の戸畑祇園が不安です。やっぱり出てほしかったし、子どもたちも出たかったんじゃないのか。4基並んだ姿が見たいです。」

ことしは3つの大山笠で開催することとなった戸畑祇園大山笠の競演会。世界に認められた祭りとして、来年は4つの山笠が輝く姿が見られるのか。暴力団との関わりによって失われた信頼を回復できるかがカギとなります。

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