【潜入】熊本地震から復旧進む宇土櫓 素屋根に覆われた内部の今は
(清家康広アナ)
私の後ろにあるのが今年のはじめから本格的な解体作業が始まった宇土櫓です。
雨などから守るため素屋根に覆われていて熊本城内では各所で復旧作業が行われています。
緒方太郎さん、熊本城にはどんな印象がありますか?
(緒方太郎キャスター)
8年前の熊本地震の影響がどれだけ大きかったのかというのを世界に伝える存在ですよね。
(清家康広アナ)
現在も周りに石垣やぐり石なども残されています。
作業が進む宇土櫓の素屋根の内部を特別に見せていただきます。
国の重要文化財に指定される宇土櫓は約400年前の築城当時の姿を残す櫓で、第3の天守とも呼ばれます。
8年前の熊本地震で壁や柱に亀裂が入り櫓が傾く被害が出たものの櫓本体の倒壊は免れました。
復旧は文化財としての価値を残すため、一度解体した後、元の部材を使い建て直すことになりました。
宇土櫓は5階建てですが、1階と2階の間です。
近くで瓦の様子を見ることができます。
(畑中香保里アナ)
宇土櫓の瓦をこんなに近くで見られるのは本当に貴重な機会ですよね。
(清家康広アナ)
亀裂が入っている様子や瓦が落ちてきたそのままの様子を見ることができますが、土壁が崩れ落ちて中の土台の竹がむき出しになっている様子がみられます。このように熊本地震に必死で耐えながらも頑張っている熊本城の様子が見て取れます。熊本城総合事務所の渡辺さんにお話を伺います。
■熊本城総合事務所・渡辺広樹副課長
Q.宇土櫓の今の状況は?
3月の終わりに撮った写真ですが、5階櫓の最上階の写真です。
すでに軸組だけの状態になっておりまして、上から順番に屋根瓦、外装材、内装材と取り外していったんこの櫓全体を組むだけの状態にしてまた解体していくという工事になります。
Q.今後の復旧の予定は?
今後2年間かけて解体工事を行っていきます。その後また2年間かけて復旧するための設計を行ってその後5年かけて復旧工事を行っていきますので、2032年度に完了を目指しています。
(清家康広アナ)
解体作業をしていくと新たな発見もありそうですね。
(渡辺広樹副課長)
瓦や部材といったものを一つひとつ取り外していきながら調査を行っていきますのでその中で新たな発見が見つかって皆様にお伝えできればと期待しています。
(清家康広アナ)
素屋根の内部が4月14日に一般公開されます。
5月は大型連休中の3日から5日に、6月以降は月1回、第2日曜の公開を予定しています。予約は不要ですが熊本城の入園料が必要です。櫓の様子を間近で見られる貴重な機会です、訪れてみてはいかがでしょうか。