縄文土器をCTスキャンしたら世界2番目に古いタイプだった 熊本大のグループ発見
発見したのは、熊本大学の小畑弘己教授の研究グループです。小畑教授らは約20年前に出土した縄文土器を、最新の機器を使って調査しました。その結果、土器の中に砕いた巻き貝が数多く混入していることがわかりました。
貝殻を混ぜて作る土器は、高い技術が必要なため日本の縄文時代では珍しく、約1万3000年前の中国の新石器時代の出土品に次ぐ古いものだということです。
また、混ぜられていたのは巻き貝のカワニナの仲間と確認され、二枚貝ではない貝が使われているのも極めて珍しいということです。さらに土器の中にダイズやアズキを混ぜていた形跡も確認され、小畑教授は「土器の強度を増すという実用面以外に、豊漁や豊作を祈るという側面もあったのではないか」と指摘しています。
これらの土器はいずれも20年以上前に福岡県で出土し、調査が終了したとして収蔵庫に保管されていたもので、今回、研究グループが改めて調査しました。こうした土器に再び光を当てて価値を探る研究は、極めて珍しいということです。
■熊本大学 小畑弘己教授
「実は、こういった調査は誰もやっていないんですね。極言してしまえば、全国で私ひとり。私たちがいったん肉眼で見てこうだと判断したもの以外にも、潜在的な、もしかすると学術的な大きな価値がある可能性があるんです」