マイナ保険証の利用や準備 県内の病院や行政窓口では
健康保険証は今月2日から新たな発行が停止され、「マイナ保険証」への一本化が進んでいます。
マイナ保険証は、健康保険証の利用登録がされたマイナンバーカードのことで、富山県内での利用率は、10月末の時点で全国で最も高い23.59%となっています。
県内での利用の現状や使い方を取材しました。
富山市内の病院で
職員「顔の面をこちらに入れます。顔認証と暗証番号どちらにされます?」患者「暗証番号」
マイナ保険証への本格移行が始まった今月2日、富山市の病院では、次々と読み取り機にマイナ保険証をかざす人の姿が見られました。
マイナ保険証利用者「2回目かな。もう(新規に健康保険証が)発行されんもんね」質問:じゃぁ切り替えてみようかなと「そうそう。どうなっとるか分からんけど、ただやってるかな」「便利かどうかは分からないけど、保険証忘れたりすることが時々あるので、これからマイナンバーカードだけ持ち歩けばいいかなというのはちょっと楽かなとは思う」
一方で、従来の保険証を使う人も。
患者「マイナンバーカードというのは作ったことがない。どこで作るの」病院職員「市役所とかになりますね」
患者「まだ持っていないんで、マイナを。準備はしようかなと思っているんですけど。現行のままのほうが楽なんで、使えるまではそのまま行きたいっていうのが本音です」
病院でマイナ保険証を使って受け付けするには、まず、カードリーダーにマイナンバーカードを置きます。
職員「マスクを少し下げてください」
顔認証の場合、画面に数秒ほど顔をかざすと。
職員「マイナンバーカードで確認できました」
穴田記者「ありがとうございます。このように簡単に受け付けをすることができる。慣れてきたら早くなると思います」
暗証番号で本人認証を行うこともできます。
済生会富山病院医事課 松本晃課長補佐「利用率としては9月の時点で19パーセント。1日約70人の患者が利用している」
この病院でのマイナ保険証の利用率は、去年10月は9パーセントでしたが、チラシの配布や声がけなどで利用者が増えてきたといいます。
松本さん「患者の保険証の登録は今まで手入力で行っていたので、登録するのに時間がかかっていた。マイナ保険証はひも付けされているので、すぐに登録ができるようになった」
さらにこんなメリットも。
松本さん「他院で処方された薬の情報や特定健診の情報などが、当院の電子カルテ上ですぐに閲覧できるようになったことがメリット」
厚生労働省は、医師が薬の処方歴などを見られることで適切な治療につながるほか、突然の手術や入院でも高額支払いが不要になるなどの利点があるとしています。
一方、今週は富山市役所の窓口を訪れる人が増えています。「マイナ保険証」に必要なマイナンバーカードの受け取りや、カードに内蔵されている有効期限が5年の電子証明書の更新に訪れる人が増えているということです。
富山市市民課 長森貴弘課長「12月2日を迎えまして、以前よりはマイナンバーカードの受け取りをされる方、また、電子証明書の更新にみえる方が増えている印象です」
きょうも朝から、市民が次々と訪れていました。
富山市では、公式LINEから手続きの予約ができるほか、混雑状況によってはマイナンバーカード以外の窓口でも手続きができるようにするなど、待ち時間が少なくなるよう工夫しているということです。
市の担当者は、何かトラブルが起きる可能性も考えられるので、病院で受診するときには、マイナンバーカードと合わせて従来の保険証も持っていくとスムーズだと話していました。
今の健康保険証は最長1年間、有効期限までは使うことができます。
また、マイナンバーカードを持っていない人や、マイナ保険証に登録していない人には、保険証の代わりに使える「資格確認書」が交付されます。
マイナンバーカードをめぐっては、個人情報のひも付けミスなどが相次いで見つかっていて、今後、利用率がどこまで伸びるかは、信頼性と利便性の向上にかかっています。