なぜ悲惨な現状を…被災した能登の風景を描き続ける男性の思い
被災した能登の風景を描き続ける男性がいます。
悲惨な現状をなぜ絵で残すのか。そこには、ある思いがありました。
鈴木誠さん:
「被災地の記録を残すための絵を描いているという感じですね」
岩手県から来た、鈴木誠(すずき・まこと)さん。
車中泊をしながら今の能登の現状を絵で記録しています。
鈴木誠さん:
「やっぱり絵には絵にしかできないっていうものがあると思うんですよね」
「人の心を通じて画面をつくることによって心のこもった記録ができるのが一番の絵で描くことの特徴じゃないでしょうか」
東日本大震災をきっかけに活動をはじめ、これまでに熊本地震などの、被災地にも赴きました。
描いてきた絵は200枚以上に上ります。
鈴木誠さん:
「悲しいところだけじゃない、震災の絵を描くときに気をつけていることなんですけど、必ず、希望につながっていくようなものを1つ入れるということを絶対の条件にしています」
「輪島で描いている時に、そこで働いていた方とお話しする機会があったんですけど、そのときに仰っていたのが、ここでやっていたお祭りなどの活気のあるものが戻ってこれば、また明るい町になってくれるんじゃないか」
「そういうものを絵のどこかに感じるような色を少し入れた」
被災地を描く鈴木さんの信念がもう一つ。
鈴木誠さん
「一枚の絵で完結させないということも重要なことだと思っていて。徐々に復興していく様子をしっかりと表していくことが記録としての絵に必要なことじゃないでしょうか」
鈴木さんはこれからも“能登”を描き続けます。