青森を楽しもう！今回は太平洋沿岸の自然歩道・みちのく潮風トレイルです。海外からも注目されているトレイルの魅力を探りました。

みちのく潮風トレイルは八戸市から福島県相馬市までの太平洋沿岸をつなぐ全長1,000キロに及ぶ自然歩道です。東日本大震災のあと環境省の復興事業の一環として整備が始まり全線開通から来月で5周年を迎えます。八戸エリアを地元出身のガイド大津貴規さんに案内してもらいました。

★ACプロモート　大津貴規さん
「ここがみちのく潮風トレイルのスタート地点またはゴール地点になっています　それでは歩いてみましょうか」

今回は八戸市の蕪島から8キロ先の種差海岸をめざす人気のルートを歩きます。

★大津貴規さん
「ここ葦毛崎展望台となっています　あそこから太平洋側を見るともう一面が水平線　その展望台から見る海がとても深い緑色できれいな南の青い海とは違った魅力を感じることができると思います」
「いまはまだ5月で花の方はまだ咲いていませんが、この辺のエリア特有のニッコウキスゲとかノハナショウブとか種差海岸を代表する花を見ることができます」

中須賀をはじめ潮風トレイルでは種差までの道中、遊歩道沿いに年に650種類以上の草花が咲くことから通称「花の渚」と呼ばれています。

★大津貴規さん
「普段よりゆっくり歩くことで普段気にしないものもちょっと見ていただけるとあれ、このお花なんだろう？ここに生えている草はなんだろう？とか　そういうところに興味を持ってもらえるともっとこの種差海岸のトレッキングが楽しくなると思います」

行程の半分4キロほど歩いていくと周りの景色は岩場から砂浜へ。

★大津貴規さん
「歩きやすい道があってなおかつアップダウンもあって、しっかり道も整っていて砂浜もあって、短い距離でいろいろな景色を楽しめるのがこの八戸種差区間の魅力だと思います」

大須賀海岸では全国でとても珍しい「鳴き砂」を体験することができます。

★大津貴規さん
「きれいな砂でないと音が鳴らない鳴き砂というのは手のひらで砂をぎゅっとやるとキュッキュッと音がします」
「ただきょうは昨日の雨で湿っているのでちょっと音が鳴りません」

きれいな浜の証しでもある「鳴き砂」は豊かな自然が残る潮風トレイルが誇る地域の宝です。

★大津貴規さん
「みちのく潮風トレイル　種差エリアのいよいよ後半戦にさしかかってきました」

松林が続く淀の松原は風や日射しを抑え雨宿りもできるエリアです。

★大津貴規さん
「いままで歩いてきたエリアよりも植生などもちょっとまた違った植生が見られますので、こちらもゆっくりと楽しんでいただくことをお勧めします」

松林をぬけると今回のゴール種差海岸の天然芝生地が広がります。

★大津貴規さん
「この天然芝生地ではのんびりと寝転がっていただくのもよし、この芝生地だけでしか咲かないお花を探すもよし、いろいろな楽しみ方ができると思います」

歩く文化を通して「自然と人間の共生」「環境問題への意識啓発」「震災の記憶継承」をめざすみちのく潮風トレイル。大津さんは守るべきものは守りながら魅力をより発信して地域全体で新しい観光の姿に育てたいと意気込みます。

★大津貴規さん
「みちのく潮風トレイル全線開通してから5年たって確実に、歩く人が多くなってひじょうに楽しくもうれしくも思っているところでもありまして　地域一体となって新しい観光の形をつくって多くのみなさんを受け入れできるように私もいちガイドとしても協力していければと思います」

みちのく潮風トレイルをこれまでに歩いたのは年間のべ10万人。この5周年をきっかけに県民の皆さんもあらためてトレイルを散策してみてはいかがでしょうか。