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町に幸せを呼ぶ巨大天狗!?暴走する牛鬼!愛媛のちょっと変わった秋祭り

2024年10月23日 18:00
町に幸せを呼ぶ巨大天狗!?暴走する牛鬼!愛媛のちょっと変わった秋祭り

今年は秋になっても気温が高く、少し秋を感じにくいですよね。そこで、きょうはチャン4がこれまでに放送した愛媛の秋特集をプレイバックします。きょうは“愛媛のちょっと変わった秋祭り”。何度見ても…仰天です。

清家アナ:
「え!かき夫の皆さんの上を宮司さんが歩いています。背中の上を宮司さんが歩いています」

人が作った道の上を御霊が通る!ニュースch.4は、愛媛の“奇祭”を数々取材してきました。そんな私たちに新たな奇祭の情報が。

やってきたのは愛媛最南端の町、愛南町。伝統の五ツ鹿踊りや牛鬼、四ツ太鼓などが町内を練り歩く南予の秋祭りです。

と!姿を現したのは…これは魚か?

子供たち:
「わっしょい わっしょい」

子供たちが一生懸命何かを引いています。

住民:
「可愛いですよねすごく、愛南町の人気者ですもん。あの鼻の長ーいのがええでしょ。幸せが来ます」

幸せを呼ぶ長ーい鼻。その正体が…こちら!なんと巨大な“天狗”です!

子供:
「おはようございます。長崎天狗です。御花集めに来ました」

愛南町でもこの長崎地区にだけ伝わる長崎天狗、子供たちに引かれ町内を練り歩きます。

ついていくと…突然コンビニへ一直線。なんとその鼻を店内に突っ込みます。

長い鼻で幸せを振りまきながら進む長崎天狗。

よく見ると鋭い歯を持つ大きな口はパクパク。ギョロッと見開いた目はクルクル。

天狗の中を覗いてみると…目と口の動力。それはまぎれもなく子供たちです。

口の動きを担当:
「引っ張ったりするときに手がちょっと痛い」

目の動きを担当:
「鼻突っ込むときとか(に回す)」

目の動きを担当:
「疲れます」

ところでいったいなぜ、ここ長崎地区では巨大な天狗が街を練り歩くのでしょうか?

長崎地区 斉藤武俊区長:
「(作られたのは)40年近く前になるんやけど、それまでは小学生の出し物が何もなかったんで作っていただいた」

40年近く前、町内に住む男性が思いつき、小学生のために製作されたという巨大な天狗。現在の物は3代目だといいます。

小学生の頃 制作に携わった男性:
「(初代は)この鼻が倍くらいあった」

夕方。大勢の人が集まる神社の境内に、牛鬼や神輿が集結。あの長崎天狗も到着しました。太鼓が鳴り響く中、始まったのは…天狗の大回転!「舞い込み」です。

斉藤区長: 
「福を舞い込まそうという意味で 舞い込む(回す)」

とにかく回って回って回りまくる天狗。勢い余って、子供が飛ばされるほどの迫力です。

そして天狗の中では…

愛媛の奇祭、愛南秋祭りの長崎天狗。子供たちによって引き継がれるその長ーい鼻で、これからも町に幸せをもたらします。

夜空を焦がさんばかりに燃え盛る炎。そこに現れたのは…ふんどし姿の男たちです。と、次の瞬間!冷たい海へダイブ!

西予市明浜町の高山地区で行われたのは「潮垢離」と呼ばれる行事。毎年秋祭りの前夜に神輿のかき夫らが身を清めるため、何度も何度も海に飛び込みます。

参加者:
Q陸は?
「熱いです」
Q海の中は?
「ひやいです」

高山氏子総代長 道山升文さん:
「400年以上続く高山の伝統行事。誇りですね」

人々に長く受け継がれ、独自の進化を遂げる祭り。潮垢離が行われた高山地区のお隣。西予市明浜町の狩浜地区です。海に目をやると…漁船に乗せられ運ばれてきたのは、牛鬼です。

上陸した牛鬼は集落を練り歩き各家庭で厄払い。南予の秋祭りでは良く見る光景です。

しかし…

地元の人:
「観客の人は避けてもらった方がいいと思うけど」

帰省客:
「とにかくみなさん逃げる」

逃げる?

旦那さんが牛鬼のかき夫だというこちらの女性。

「旦那さんお送り出す時に塩を振って行かす。どうぞご無事で」

どうぞご無事で!?

しばらくすると牛鬼が広場に到着。そこに祭りの主役神輿3体もやってきました。

次の瞬間、驚きの光景が!突如として牛鬼が暴れ始めたではありませんか!縦横無尽に動き回り、集まった観客の方へ突進。みんな悲鳴を上げながら必死に逃げ回ります。

そうかと思えば広場の真ん中で勢いよく回転!400キロを超える牛鬼とは思えぬスピードです。

ギリギリのところで衝突を交わす神輿のかき夫たち。しかし今度はそのかき夫めがけて牛鬼が突進します!

追いかけまわされた観客、さぞ怖かったろうと思いきや…

地元住民:
「そりゃ面白いわい。これが醍醐味」

追いかけられてみんな大喜び!住民いわく、「牛鬼が人を追いかける」のではなく「暴れる牛鬼に人がわざわざ近づく」のだとか。

日が暮れると、祭りはいよいよクライマックス。春日神社への宮入り「おかえり」が行われます。

神輿が走りこんできたのは、神社に通じる急な階段。そこを神輿と牛鬼のかき手が力を合わせ一気に駆け上がります。

幻想的な雰囲気に響く男たちの掛け声と住民の声援。地域全体が一つになって神輿を神社へと押し上げます。神輿三体が宮入を終えました。

地元の住民:
「これを見ると身が引き締まるというか、とても感動する」

神輿のかき手:
「最高。みんながきれいに上がったとこ」

神輿のかき手:
「みんなで盛り上がって最後までやりきった。だんだん人数が減ってきているので、明浜に帰ってきてもらってこの祭りがずっと続くようにしたいです」

地域に愛される続ける愛媛の奇祭は、さらに次の世代へと受け継がれていきます。

【スタジオ】
松岡キャスター:
久しぶりに見ても驚きのお祭りでしたが、愛南町の長崎天狗は11月3日に、明浜町のお祭りは今週末、土曜日に行われるということです。

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