激流育ちの「10ノット真鯛」を回転ずしで!今治の漁師まちが「くら寿司」と“地魚地食”でめざす販路拡大
「うちの魚が一番うまい!」
地元の魚の更なる販路拡大を目指そうと、今治市・大島の漁師たちが『地魚地食』で挑んでいます。
きょう、午前8時。
杉本記者:
「激流で育った天然鯛が名産の今治市宮窪沖に来ています。いまちょうどその漁が行われているのですが…様子を見つめているのは、くら寿司の大濱バイヤーです」
今治市大島の沖合で定置網漁や小型の巻き網漁を見学したり…
くら寿司 天然魚担当バイヤー 大濱喬王さん:
「この漁も潮が走ってるとできないんですか?」
県漁業協同組合 宮窪支所 關洋二運営委員長:
「その場所でね、潮がはやくなったら乗る場所もある」
能島周辺の潮流を体験したりしていたのは、回転寿司チェーン・くら寿司で国産の天然魚の新規開拓・取引などを担当する大濱バイヤーです。
県漁業協同組合・宮窪支所が売り出し中のブランド天然真鯛『10ノット真鯛』の漁場や漁法、魚の管理方法などを確認して、商品のブラッシュアップにつなげようと訪れました。
最大時速18キロ、10ノットの潮流によって引き締まった身と凝縮された旨味が特徴の『10ノット真鯛』。
くら寿司では先月から宮窪産の『10ノット真鯛』を愛媛・広島・岡山の3県で販売しています。
竹林記者:
「身がしっかりと引きしまって歯ごたえがあります。脂も乗ってとってもおいしいです」
全国各地域の旬の地魚をその地域の店舗で週末限定で販売する“地魚地食”のプロジェクトの一環です。地域で獲れた魚をそのエリアで加工・販売することで物流コストを削減。養殖に比べ漁獲量の変動が大きく、大手外食チェーンにとって扱いにくかった天然魚をあえて使うことで、天然魚の販路拡大や知名度アップ、水産業の活性化につなげます。
大濱バイヤー:
「お名前が消費者の方にも非常にキャッチーといいますか、潮流の速いところの激流で獲れた魚だから身が引き締まって美味しいという印象にもつながるんじゃ ないかなと思いまして」
コロナ禍による魚の販売量や担い手の減少に船の燃料代の高騰…
宮窪支所では、漁師まちの生き残りをかけて近年、真鯛のブランド化のほかイベントでの“出張漁師市”や鍋つゆの開発など、魚価の向上に向けた取り組みに力を入れています。
今回、くら寿司とのつながりをきっかけに、宮窪産の魚の更なる販路拡大を目指します。
關さん:
「うれしい限りです。1000円の魚が1500円に 値段がついたら漁師さんも喜ぶけんね、それを期待しております」
大濱バイヤー:
「定置網でもいろんな魚種獲れてるというのも見れましたし、組合長からもシラスなどお客様に非常に喜んでいただけるような商品もお話いただいたので。きょうはあれだけ大きなイシダイが定置網で獲れるというのを見させていただいて、 非常に興奮してしまいました」
關さん:
「これは…今度はイシダイを使ってくれるかなと感じました」
大濱バイヤー:
「ふふふ」