新型コロナ感染 新たに富士・東部が注意報レベルに 背景に“変異株” 搬送困難事案も急増 山梨県
県内の新型コロナウイルスの感染者数は6週ぶりに減少した一方、新たに富士・東部保健所管内で注意報レベル入りしました。
7月28日までの1週間で県内41の定点医療機関に報告のあった新型コロナウイルスの感染者数は553人と前の週を28人下回り、6週ぶりに減少に転じましたた。
県内各保健所の管轄別にみると、中北の「警報」甲府市と峡東の「注意報」が継続しているほか、新たに富士・東部が「注意報」レベル入りしました。
感染症専門医 井上修 医師
「始めはゆっくりだけど増え始めるとグーっと増えるという、今までの増え方とすごく似ているなという状況。去年の今ごろ(の感染状況が)どうだったかというと、やっぱり増えていた。8月の夏休みシーズンにかけて流行を迎えてしまう恐れがかなりある」
県感染症対策センターの井上医師は、感染者数の増加の背景には変異株の台頭があると指摘。
今年の新型コロナの流行は冬と夏に起きていて、いずれも感染力の強い変異株が関係しているといいます。
感染症専門医 井上修 医師
「春先まで流行していた『JN.1』の子孫が『KP.3』というもので、『JN.1』自体も増えてきているということは、今までの免疫を回避して感染が広がる力を持っている株ばかりだと思う。(感染対策の)強さとしては今までよりも強めにやらないとだめかなと思う」
こうした傾向から、まずはウイルスを体に入れないことが重要だと井上医師は話しています。
一方で県は熱中症や新型コロナ患者の急増に伴い、搬送先が決まらない「救急搬送困難事案」が増えているとして注意を呼びかけています。
消防庁の統計によりますと、直近の週の困難事案は前の週の4倍以上の26件に増加しています。
県は「まだひっ迫した状況ではない」としながらも、基本的な感染対策の徹底を呼び掛けています。