臓器移植に尽力 名レスラー・ジャンボ鶴田さんの功績しのぶ 支援団体が墓参り 山梨県
山梨市出身で、一時代を築いた名プロレスラーといえば、ジャンボ鶴田さんです。生前は臓器移植の啓発活動に熱心だったことでも知られています。今年も臓器移植を待つ患者の支援団体が5日、鶴田さんの墓参りに訪れ、その功績をしのびました。
山梨市牧丘町の慶徳寺に、ひときわ目を引く大きなお墓があります。旧・牧丘町出身の名レスラー、ジャンボ鶴田さんの墓です。墓石の高さは197センチ。鶴田さんの身長と同じです。
全日本プロレスで活躍したジャンボ鶴田さんは、90年代のプロレスブームをけん引する人気レスラーでしたが2000年、フィリピンでの肝臓移植の手術中に49歳の若さで亡くなりました。
生前は臓器移植を支援する基金を立ち上げるなど、鶴田さん自身も臓器移植の普及に力を尽くし、今の啓発活動の礎を築きました。こうした縁から、NPO法人の日本移植支援協会は毎年、鶴田さんの墓参りを企画していて、今回で25回目を数えます。
5日は協会の職員や全国のプロレスファンら9人が寺を訪れ、墓前に線香や花を手向け、静かに手を合わせていました。
岩手県から参加した女性
「コロナ禍でしばらく来られなかった。プロレスを見始めたのが高校の同級生の影響で、当時の私からすると(鶴田さんは)とても格好いい若手の選手だった」
中にはボランティアとして臓器移植の支援活動に取り組んでいるというプロレスファンも。
広島県から参加した男性
「(鶴田さんは)別世界の人だった。超人といってもいい。移植支援の周知活動をしていたのは以前から知っていたので、墓参りに参加できたのはすごく感慨深い」
NPO法人 日本移植支援協会 高橋和子 理事長
「協会にとって(鶴田さんの故郷の)山梨は特別な県。毎年、ジャンボ鶴田さんのファンと一緒に墓参りしている。『脳死判定後の臓器提供は、人間にできる最後のボランティア』と言ってくれた(鶴田さんの)言葉を大切に伝えている」
協会によりますと、現在でも臓器移植でしか助からない病気があるといい、鶴田さんの墓前で啓発活動への思いを新たにしていました。