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10年度予算スピード成立 その理由は?

2010年3月24日 20:34
10年度予算スピード成立 その理由は?

 10年度予算が24日午後の参議院本会議で与党などの賛成多数で可決・成立した。なぜこんなに早く成立したのだろうか。政治部・岩隈政信記者が解説する。

 予算がスピード成立した背景には、最大野党の自民党に、何が何でも予算の成立を阻むという意気込みが感じられなかったことがある。自民党は、衆議院で行った審議拒否が党内や支持者から厳しい批判を受けた反省から、参議院では激しい抵抗戦術を取ることができなかった。夏の参議院議員選挙への影響を気にして野党に徹しきれなかった形。それでも自民党幹部は「政治とカネ」の問題など、鳩山政権のデタラメさを印象づけられたとしているが、民主党・小沢幹事長や鳩山首相周辺の証人喚問も一切実現せずに終わり、追及不足は否めない。

 一方の鳩山政権も予算成立で安泰というわけではない。23日に解任から一転、続投となった民主党・生方副幹事長の問題は、今後も尾を引きそうだ。生方氏は24日も「なんかスッキリ快晴というわけにはいかない。幹事長がもし本当に辞めないほうがいいと考えていたなら、最初からそうすればいいので、変な忖度(そんたく)の余地を残すのは党の運営にとってはあまり良いことではないと思う」と述べ、民主党は、側近が小沢氏の意向を勝手に判断する「忖度政治」が横行していると批判した。鳩山首相は難しいかじ取りが迫られる。