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普天間基地移設問題、日米間の温度差とは

2010年4月14日 1:18
普天間基地移設問題、日米間の温度差とは

 核セキュリティーサミットに出席するため、アメリカ・ワシントンを訪れている鳩山首相は12日、オバマ大統領と夕食会の場で非公式に会談し、アメリカ軍普天間基地(沖縄・宜野湾市)の移設問題を5月末までに決着させる意向をあらためて伝えた。しかし、この問題は、日本とアメリカで温度差があるようにも感じられる。政治部・小栗泉記者が報告する。

 13日付のワシントン・ポストは、オバマ大統領が公式に会談した中国・胡錦濤国家主席については1面で写真も取り上げているが、鳩山首相については記事でもまったく取り上げていない。

 また、鳩山首相との会談についてのホワイトハウス側の発表でも、「普天間」という言葉はなかった。日米関係の専門家らに話を聞いても、普天間問題は日本側が解決すべきことで、このタイミングでオバマ大統領が乗り出すような問題ではないという冷めた見方が広がっている。

 そんな中、鳩山首相の周辺が極秘にアメリカ側に働きかけていることがわかった。本来は外交担当ではない秘書官が今回、鳩山首相に同行し、表の日程とは別に、裏でキャンベル国務次官補ら多くの政府高官らと協議しているもよう。これは、鳩山首相が日米関係を軽んじているのではないかという疑心暗鬼がアメリカ側に広がっているため、鳩山首相の懐刀を自称する秘書官が自らきちんと説明し、失われている鳩山首相への信頼を回復したいとみられる。

 やや遅きに失した感もあるが、こうした努力が報いられるのか、鳩山首相は正念場を迎えている。