×

菅首相「核兵器抑止力は引き続き必要」

2010年8月6日 15:51
菅首相「核兵器抑止力は引き続き必要」

 広島は6日、65回目の「原爆の日」を迎えた。広島市では平和記念式典が開かれ、菅直人首相は「日本国憲法を順守し、非核三原則を堅持することを誓います」と述べた。しかし、式典後の会見では、「核抑止力は必要」という認識を示した。

 被爆65年の節目を迎えた平和記念式典には、5万5000人が参列した。式典は6日午前8時から始まり、原爆を投下したアメリカからジョン・ルース駐日大使が初めて参列するなど、過去最多の74か国の代表を迎えた。式典には国連トップの潘基文事務総長も初めて参列した。

 広島市・秋葉忠利市長は平和宣言で「今こそ、日本国政府の出番です。核兵器廃絶に向けて、先頭に立つためには、まずは非核三原則の法制化と核の傘からの離脱(をすべき)」と述べ、菅首相が参列する中、日本政府に具体的な行動を求めた。

 菅首相は、式典で「日本国憲法を順守し、非核三原則を堅持することを誓います」と述べたが、式典後の会見では、秋葉市長が平和宣言で求めた核の傘からの離脱に関して、「核兵器抑止力というものは、わが国にとって引き続き必要。非核三原則は私の内閣で堅持する方針に変わりはない」と述べ、「核抑止力は必要」という認識を示した。

 一方、初の参列で注目されたアメリカのルース駐日大使は「私たちは核兵器のない世界の実現を目指し、今後も協力していかなければならない」との文書を寄せたものの、式典後は何も語ることなく、足早に広島を後にした。