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衝突ビデオ、野党が公開要求 政府は否定的

2010年11月1日 13:18
衝突ビデオ、野党が公開要求 政府は否定的

 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、国会では、衆参両院の予算委員会の理事ら約30人が1日朝、海上保安庁が撮影した衝突場面のビデオを視聴した。自民党などは「ビデオを国民にも公開すべきだ」としているが、政府・与党は、日中関係への影響も考慮して否定的な姿勢を崩していない。

 映像は6分50秒に編集されていて、中国漁船が旋回しながら巡視船に衝突する場面のほか、衝突後、操舵(そうだ)室から出てきて様子をうかがう中国人船長の姿などが映されているという。

 野党側は「明らかに悪質な事案だ」として、その後の政府の対応に批判を強めている。この後に開かれた衆議院予算委員会では、ビデオを視聴した自民党・武部元幹事長が尖閣問題をめぐる菅首相の認識をただし、「実態を明らかにするためにも、世界にアピールするためにも、ビデオを公開すべき。能天気も甚だしい」と述べた。

 しかし、菅首相は「(尖閣問題が)領土問題であるかのような誤解を招くようなことを(日本側が)言うことそのものが、今の我が国の姿勢として間違っている」と、従来の見解を繰り返すにとどまった。