２１の国と地域が参加するＡＰＥＣ（＝アジア太平洋経済協力会議）の首脳会議が１３日、横浜市で始まった。２日間の日程で行われる。

　初日の１３日は午後から、ＡＰＥＣでは初めて、共通の成長戦略について話し合われている。また、今回の首脳会議ではＡＰＥＣ域内の自由貿易圏の実現に向けて具体的な道筋が描けるかが焦点となっている。

　菅首相「日本が中国やロシアとの関係で色々な問題があった中で、一貫して米国にサポートしてもらったことに、私からお礼を申し上げた。この地域の平和・安全のためには、米国・米軍の存在がより重要であるとの認識を、私自身も、多くの国民や近隣諸国も持ったということを私が申し上げた。経済面においても、今回の包括的貿易経済連携の問題で我が国が大きく開国の方向に進んだことを説明し、大統領からも歓迎するとの趣旨の話をいただいた」

　オバマ大統領「この地域での貿易や市場開放の必要を話し合った。菅首相が国内での改革や貿易の自由化に関心を持っていることを歓迎している。日本がＴＰＰ（＝環太平洋経済連携協定）の道に踏み出そうと関心を持っていることも歓迎している。緊密に協議すべきだと話した。日本の防衛ニーズを満たした上で、基地のある地域社会のニーズに応える、その両立に向けて、日米は協力を続けていけると思う」

　また、オバマ大統領は菅首相に来年春ごろのアメリカ訪問を要請した。

　今回の日米首脳会談は、１３日夕方の日露首脳会談や、調整が続いている日中首脳会談の前に、まず基軸となる日米の連携をアピールする狙いもある。

　これに先立って、ＡＰＥＣ各国首脳は１３日朝、経済界のリーダーの会合で講演した。この中で菅首相は「日本は今また、再び大きく国を開いていくことを決断しました。自由貿易を進めるとともに、農業改革を推進します」と述べ、アジア太平洋地域の自由貿易圏への参加に強い意欲を示した。

　日露首脳会談は１３日夕方、日中首脳会談については実現に向けて調整が続いている。