「日中首脳会談」見通し立たず
日中両政府は今週から開かれるAPEC(=アジア太平洋経済協力会議)に合わせた日中首脳会談に向け最終調整を進めている。ただ、正式な首脳会談が開かれる見通しは立っていない。
政府関係者によると、中国側は尖閣諸島の領有権問題の存在を日本政府が認めることや安倍首相が靖国神社を参拝しないと約束する事を正式な会談の条件にしていて、条件なしでの開催を求める日本側と折り合いがついていないという。そのため、APECに合わせた首脳会談の開催は微妙な情勢で、6日夜、首相周辺は「無理してまで会う必要はないチャンスは今回だけではない」と述べた。
また、ある外務省幹部は「握手は当然するだろうが、その先は懐疑的だ」と述べ、短時間の非公式な会談で終わるのではないかとの見通しを示している。
こうした中、国家安全保障局の谷内局長が6日、中国・北京に到着した。中国の楊潔チ国務委員(「チ」は竹かんむりの下にがんだれと「虎」)と面会し、改めて日本の立場を説明した上で妥協点を探ったものとみられる。