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日中首脳会談、関係発展で一致 現地報告

2015年4月23日 0:07
日中首脳会談、関係発展で一致 現地報告

 インドネシアを訪問している安倍首相が22日夜、中国の習近平国家主席と首脳会談を行った。会談で両首脳は両国関係を発展させていくことで一致した。現地から古谷朋大記者が伝える。

 首脳会談は去年11月以来およそ5か月ぶりとなる。日本政府関係者によると、会談は終始和やかな雰囲気で行われたという。

 習主席「ここ最近、双方、両国民の共同努力のもとで、中日関係はある程度改善できました」

 安倍首相「戦略的互恵関係の推進によってですね、地域やそして世界の安定と繁栄に貢献をしていくことは、私たちの、我々の責務であろうと思います」

 会談で、両首脳は日中関係をさらに発展させる方針を確認した。中国外務省によると、会談で習主席が歴史問題について「アジア隣国の懸念に真剣に対処し、歴史を直視する積極的なメッセージを出すようのぞむ」と求めたのに対し、安倍首相は「村山談話を含む歴代政府の認識を堅持したい」と説明し、理解を求めた。

 また習主席は、中国が主導するアジア・インフラ投資銀行について、「すでに国際社会の全般的な歓迎を受けている」などと日本の参加を促した。これに対し安倍首相は、「アジア地域にインフラ施設の投資に巨大なニーズがあることを認識している」などと答えたという。

 中国の対応について、来週の安倍首相のアメリカ訪問を意識したものだったのではないかとの見方もあるが、それもあったかもしれない。政府高官は「中国は最初から前向きだった」と明かしている。その理由として、日中関係を改善していくことで、自国経済に弾みをつけたいとの思惑があるのだろうと解説している。

 会談後、安倍首相は、今後も国際会議の機会などを利用して、中国との首脳会談を継続的に行っていきたいとの考えを示した。

 また、会談に先立ち、安倍首相は戦後70年を意識した演説も行ったが、演説の中に過去の「植民地支配」や「侵略」に対し直接お詫びする言葉はなかった。

 安倍首相「“侵略または侵略の脅威、武力行使によって他国の領土保全や政治的独立を侵さない”。この原則を、日本は先の大戦の深い反省と共に、いかなる時でも守り抜く国であろうと誓いました。

 今回の演説の内容は、安倍首相が今年夏に発表する「戦後70年談話」の内容を方向付けると見られている。