日中首脳会談 立場の違いも浮き彫り
安倍首相は22日、訪問先のインドネシアで中国の習近平国家主席との首脳会談を行い、日中関係を発展させることで一致した。
習主席「ここ最近、双方、両国民の共同努力のもとで、中日関係はある程度改善できました」
安倍首相「戦略的互恵関係の推進によってですね、地域やそして世界の安定と繁栄に貢献をしていくことは、私たちの、我々の責務であろうと思います」
約5か月ぶりとなる会談は、終始、和やかな雰囲気で行われたが、立場の違いも浮き彫りとなった。中国が主導するアジア・インフラ投資銀行について習主席が日本の参加を促したのに対し、安倍首相は「ガバナンスの問題など課題として感じており、参加には慎重な立場だ」と答えた。
これに先立ち安倍首相は、アジア・アフリカ首脳会議で演説し、先の大戦への深い反省を表明したが、過去の「植民地支配」や「侵略」について直接おわびする言葉はなかった。
首相周辺は、「今回のスピーチと来週アメリカで行う議会演説、そしてこの夏に発表する70年談話は3点セットだ」として、中国などアジア諸国の理解を得たい考え。
戦後の70年の今年、安倍首相は過去の総括や日本の進むべき道筋について発信を続けるが、アメリカやアジアとの関係強化につなげることができるのか、手腕が問われる。