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菅首相、米軍基地視察 住民との対話はなく

2010年12月18日 18:49
菅首相、米軍基地視察 住民との対話はなく

 菅首相は18日、沖縄・宜野湾市のアメリカ軍普天間基地やその移設先としている沖縄・名護市辺野古などを上空から視察し、2日間の沖縄訪問を終えた。

 名護市辺野古への普天間基地の移設について、何とか沖縄県民の理解を得たい菅首相は、精力的に沖縄県での視察日程をこなしたが、今回の訪問で住民と直接対話する機会は設けられなかった。名護市辺野古では、菅首相の乗ったヘリコプターに向かって、抗議の声を上げる市民の姿も見られた。

 菅首相は18日午後3時過ぎ、会見で「まだまだ色々な意見の違いや色々な見方の違いはありますが、丁寧にしっかりと議論を積み重ね、議論を進めていくことができる、そういう訪問になった」と述べた。

 菅首相は、首相としての沖縄への考え方を伝えることが目的だったとしているが、「今後、沖縄県側との溝を埋める具体的方策をどうするのか」と報道陣から問われても、明確な答えはなかった。

 首相周辺からは「今後の話し合いの機会につないだという意味だけでも、訪問はよかった」との声も聞かれるが、こうした声がまさにこの問題の厳しさを表している。