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菅外交、今年の展望は 政治部記者が報告

2011年1月2日 19:32
菅外交、今年の展望は 政治部記者が報告
 菅政権は去年、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件などの対応をはじめ、外交面で多くの課題を残した。今年は日本を取り巻く国際情勢がより複雑化することが予想される。菅外交の展望について、政治部・野口敦史記者が報告する。

 首相就任直後の去年6月、菅首相は所信表明演説で「能動的な外交」を標榜(ひょうぼう)した。しかし、実際には、去年9月の沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件や去年11月のロシア・メドベージェフ大統領による北方領土訪問など、菅政権の外交は関係国に翻弄(ほんろう)され続け、対応は後手後手に追われた。

 アメリカの戦略国際問題研究所で韓国部長を務めるビクター・チャ氏は、「もちろん、米日韓は強固な協力関係にあります。一方で、中国と北朝鮮が団結しているようにも見えます。北東アジアでの新しい冷戦が始まろうとしている」と話し、北朝鮮が韓国の領土を砲撃したことで、朝鮮半島の緊張は新たな段階に入ったと指摘している。

 このような情勢を受けて、菅首相があらためて外交の最重要事項に掲げたのが「日米同盟の深化」で、今年春には菅首相がアメリカを訪問し、日米共同声明をまとめたい考え。しかし、アメリカ軍普天間基地(沖縄・宜野湾市)の移設問題で、沖縄・名護市辺野古への移設を明記した日米合意について、どのように地元・沖縄の理解を得るか、大きな課題が残されたままだ。

 アメリカ頼みの様相がますます濃くなる中で、国益につながる「能動的な外交」をどう展開するのか。菅首相自らがはっきりと国民に示すことが求められる。