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伊勢志摩サミット決定 背景を政治部長解説

2015年6月6日 1:03
伊勢志摩サミット決定 背景を政治部長解説

 来年のG7(=主要7か国)サミット開催地について5日、安倍首相が三重・志摩市と発表した。決定の背景について日本テレビ報道局・政治部の伊佐治健部長が解説する。

 Q:開催地の決定というのは、首相の権限なのか?

 これは、来年の開催国が日本なので、その日本の責任者として安倍首相が最終的な権限を持っていた。

 Q:サミットの開催地に選ばれるというのは、開催地にとってはどんな影響が?

 サミットと言えば、世界的に名前が知られるチャンスだから、まず世界的なアピールになる。一方で、地元の経済に対する、非常な経済効果も望まれる。

 Q:安倍首相は今回どういう観点から候補地選びをしてきたのか?

 一番重視したのは警備面、セキュリティー面。世界各国の首脳が集まるから、テロの標的にもなりやすい。こういった点から警備面を重視した。その意味では伊勢・志摩は、メーン会場の賢島、ここは人口わずか126人で、その島に行くルート、本土から渡る手段が、橋が2本だけと言うこともあり、非常に警備がしやすい。

 Q:日本でのサミット開催というのは、来年6月と言われているが、この開催地の発表は早いのか、遅いのか?

 サミットの発表というのは、必ずその前の年のサミットまでには決めて、その前の年のサミットで次の会場を発表すると言うことになっている。ただ今回のようにぎりぎりまで引っ張って、サプライズ効果を狙って発表するというのは、異例の形と言える。

 Q:伊勢神宮なども近い場所だが、警備が最重要課題という点では、志摩市は非常にいいポイントでは?

 やはり伊勢神宮があることから、毎年安倍首相、そして、天皇陛下も行かれる場所である。そういった意味でも警備に慣れている場所。そういった点からも、今回の伊勢志摩というのは、警備面からも、また日本の伝統文化を世界にアピールするという意味でも、非常に有効な場所だったと思う。

 Q:ほかの国の首脳に、本当に美しい景色を見てもらいたいと思うが。

 あの周辺は鳥羽も近いし、海があって、風光明媚(めいび)な場所であるので、サミットを行う環境としては非常に良いのではないか。

 Q:三重県志摩市に決まったと言うことだが、残りの候補地の7都市については?

 関係者は5日、ずっと待っていたと思う。ただメーン会場は三重の伊勢志摩に決まったが、サミットは外相あるいは財務相が集まる別の閣僚会合もある。また、今回は特別に地方創生を巡る、閣僚会合も検討されているようだ。従って、漏れた都市も、こういった会合が割り振られるとみられる。

 Q:このタイミングでの発表は意図はあったのか?

 発表はサプライズで、政権浮揚効果を狙ったものとみられる。このところ、年金情報の流出問題とか、あるいは安保法制を巡っても、政権が守りに立たされる場面も目立っているので、やはりこういった最新のテーマはできるだけしっかりと発表したいという思いがあったと思う。

 Q:安倍首相は5日、ウクライナを訪問し、その後、G7サミットのためにドイツに行くと言うことだが、開催地を発表してこれからが外遊の勝負ということになりそう?

 安倍首相が今回のG7サミットの抱負を、「しっかりとG7が結束するサミットにしたい」と述べていた。ウクライナ問題、あるいは日本が直面している、尖閣を巡る中国の海洋進出問題もある。安倍首相としては、日本の立場をしっかりとG7でアピールしたいという思いがある。

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