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日中韓首脳、風評被害対策など合意

2011年5月22日 16:27
日中韓首脳、風評被害対策など合意

 菅直人首相は22日、中国・温家宝首相、韓国・李明博大統領との3か国首脳会議を行い、共同記者会見に臨んだ。3人の首脳は、原子力の安全強化の重要性をあらためて確認した上で、今後の原子力災害における情報の共有や風評被害への対策などで合意した。

 菅首相「サミットであらためて風評に基づく輸入禁止について意見交換し、産品の安全性については、科学的根拠に基づく措置をとることで一致しました」

 温首相「日中間の観光交流を回復、拡大する。来月初頭、大型旅行団が来日することになる。中国政府は、日本の旅行会社1社に中国市民の外国観光業務に携わることにすでに許可を出した」

 李大統領「観光客が来る、食品も売れる。被災地の安全性を訴えたことで、3か国首脳は良い広報になったと思う」

 3首脳は「日中韓3か国の協力は日本の早期復興に貢献するものだ」とした上で、今後、「未来志向で包括的な協力パートナーシップをより一層強化する」とした首脳宣言を発表した。

 福島第一原子力発電所の事故を踏まえた原子力安全面での協力については、独立した合意文書をまとめた。この中では、原子力安全の強化が最も重要であることを再確認し、日本政府が最大限の透明性をもって情報提供していくことを国際社会に保証した。また、日本の農産品の風評被害が広がっていることを念頭に、「原子力事故の際には、製品の安全性について科学的証拠に基づき、必要な対応を慎重にとることが重要だ」との認識で合意した。