×

海水注入の一時中断、指示してない~菅首相

2011年5月23日 12:49
海水注入の一時中断、指示してない~菅首相

 衆議院の震災復興特別委員会で23日、審議が始まった。自民党・谷垣総裁は、福島第一原発1号機への海水注入が一時中断していた問題について、菅首相の対応を追及した。これに対して菅首相は、当時、海水注入を始めていたことは知らず、中断を指示したことはないと強調した。

 谷垣総裁は「『東京電力』は、すでにその時に海水注入を開始していた。しかし、官邸でこういう問題が議論されているから注入を中止したと。あまりにも無責任な文書を出している」と述べ、官邸が再臨界の危険性を検討していたため、東京電力が一度始めた海水注入を停止したという説明は無責任だと批判した。

 これに対し、菅首相は「注入の時もやめる時点も含めて、私どもには直接には報告が上がっていなかった。注水の前に検討を始めていることからして、それに対して注水を止めたとの一部報道があるが、少なくとも私やそのメンバーが止めたことは全くない」と述べ、当時、海水注入を始めていたことは知らず、中断を指示したことはないと強調した。

 一方、谷垣総裁は、官邸のホームページに東京電力が海水注入を始める前に菅首相が「海水を使え」と指示したと記載されていると矛盾を指摘した。これに対し、菅首相は「海水注入にあたって必要なことについて検討してほしいと指示をした」と釈明した。

 また、原子力安全委員会・班目委員長が海水注入による再臨界の危険性を指摘したとの発言を政府が訂正したことについて、谷垣総裁は「1日たったらころっと変わる。一体これは何なのか」と批判した。これに対し、菅首相は「正確な形できちんと発表をしてくれと申し上げた」と説明した。

 野党側は菅政権への批判を強めており、来月上旬にも内閣不信任案を提出する構え。