野田新内閣のスタートに向けた準備が進んでいる。１日、野田新首相が経済団体などへ挨拶に訪れる一方、民主党・輿石幹事長らは、野党側に今後の国会運営での協力を求めた。組閣までの時間を長くとり、各党との会談を先に行う背景には、与野党協調による政権のスムーズな滑り出しという狙いがあるものとみられる。

　党首会談に先立って、野田新首相は連合（＝日本労働組合総連合会）を訪れた後、経団連（＝日本経済団体連合会）で米倉会長と会談した。米倉会長が「有言実行の人事だ」と評価すると、野田新首相は「温かいコメント、励みになります」と応じ、「間断なく実行していきたい」と、経済再生に向けた意欲を示した。

　一方、民主党の新３役は１日午前、与野党の幹部を訪ね、子ども手当の見直しなどを含む３党合意を尊重していくことを確認した。

　自民党・石原幹事長「前執行部とは、ある程度の信頼関係ができている。皆様方がどう考えるか、今日、話を聞かせていただかないことには、またゼロからのスタートになってしまう」

　民主党・前原政調会長「３党合意は野田新代表も順守すると言っている。そのラインで議論させていただきたい」

　１日午後には野田新首相が自民党・谷垣総裁らと会談し、１１年度第３次補正予算案などについて、ねじれ国会の打開に向けて、野党側の協力を求めることにしている。

　一方、野田新首相はこの党首会談の後、組閣に向けた人事に本格的に着手する考え。また、民主党幹部は１日朝、組閣は２日に行われる見通しを示した。与党・国民新党は、自見郵政相の再任を求めている。また、内閣の要となる官房長官には、民主党・岡田前幹事長の起用が検討されている他、民主党・藤村前幹事長代理らの名前も挙がっている。