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物価下落特例分の年金支給額引き下げを提言

2011年11月23日 13:57
物価下落特例分の年金支給額引き下げを提言

 国の重要政策の問題点について改革の方向性を提言する「提言型政策仕分け」は23日、最終日の議論が始まった。23日午前は、持続可能な年金制度のあり方について議論が行われた。

 仕分け人側は、少子高齢化が進む中、年金制度を維持するためには今後、保険料を引き上げるなど、若い世代の負担ばかりが増えていくことになるのではないかと指摘した。

 仕分け人「若い人たちから見れば、自分の給料が下がっている、物価が下がっているにもかかわらず、高齢者の年金給付はそれほど下がっていないと。(厚労省の年金部会では)表だって積極的に掘り下げて議論しないんでしょうか」

 厚労省側「様々な項目というのをですね、年金部会の中でご議論していただいている」

 仕分け人「今のご答弁、非常に若い人が聞くと驚くと思うんですよ。支給開始年齢を引き上げる前にやることがいっぱいあるんじゃないかと」

 議論の結果、過去に物価が下がった時に、法律に特例を設けて年金支給額を下げなかったことが問題だったとして、次世代に負担を先送りしないよう、来年度から本来あるべき額に速やかに引き下げていくべきとの提言がまとめられた。

 今回、仕分け人は社会保障制度の行き詰まりに対する危機感を強調している。来月、与党内での反発が強い消費税議論を控え、野田政権として引き上げに対する世論の理解を少しでも深めたいとの思惑もあると言える。野田首相は22日、「仕分けの方向性は政府がしっかり受けとめて予算編成に反映していく」と意欲を示したが、野党は「そもそも政府として決めるべき政策を仕分けに委ねるのは責任逃れだ」と批判している。

 23日は、生活保護の見直しや雇用対策についても話し合われる。