自民党総裁選「推薦人」を分析──“裏金”議員を多く集めた候補は? 戦いの軸は3候補か…出陣式に見る“国会議員票”の勢い
「今回の自民党総裁選挙に立候補を届け出たのは、高市早苗さん(63)、小林鷹之さん(49)、林芳正さん(63)、小泉進次郎さん(43)、上川陽子さん(71)、加藤勝信さん(68)、河野太郎さん(61)、石破茂さん(67)、茂木敏充さん(68)の9人です(届け出順)」
「候補を支援する推薦人に注目します」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「立候補に必要な国会議員20人の推薦人は、候補者とともに掲げる政策を磨いたり、街頭演説をしたりと、いわば選挙戦の幹事役です。3つのテーマで、9候補それぞれの推薦人を『zero』が調べました」
小栗委員長
「まずは、いわゆる“裏金”議員について。小林さんや河野さんのようにゼロの候補者が多い中、13人で最多だったのが高市さんです。例えば三ツ林裕巳議員(2954万円)、杉田水脈議員(1564万円)のように、裏金の額が上位だった人も名を連ねています」
「高市さんは、処分は既に終わっているというスタンスです。この問題だけで選挙で公認しないのは『ちゃぶ台返しだ』と表現し、否定しました。こうした主張も、“裏金”議員が推薦人として集まりやすい環境につながったとみられます」
「ただ、“裏金”議員を隠そうと、あえて推薦人には入れなかった候補もいるようです」
小栗委員長
「次に女性議員について、最も多かったのは上川さんで7人。高市さんは2人でした。一方で、推薦人に女性議員がいなかったのは林さんと石破さん。この2候補とも女性活躍には前向きな姿勢を示しているだけに、推薦人が1人もいないというのは残念ですよね」
「ただ、自民党は女性議員の数が全体の1割ほどしかいないため、そもそも取り合いになってしまうという事情もありそうです」
小栗委員長
「続いて世襲議員です。最も少ないのは2人の上川さんですが、どの候補にも一定数います。いかに自民党に世襲議員が多いかが分かります」
藤井キャスター
「12日から2週間の選挙戦に入ることになりますが、現状はどんな戦いになっているのでしょうか?」
小栗委員長
「総裁選は、全国にいる自民党の党員・党友票と、国会議員票で決まります。それぞれの勢いはどうなのでしょうか」
「日本テレビが独自に行った党員・党友への調査では、石破さんの支持が28%と最も多く、小泉さん(18%)、高市さん(17%)と続いていました」
「一方の国会議員票について、12日の各陣営の出陣式に集まった議員の数を日本テレビが調べた結果、小泉さんがトップで34人、高市さんが5番目で23人、石破さんは6番目で22人でした」
「戦いは高市さん、小泉さん、石破さんの3人を軸に進みそうですが、今のところ党員に一番人気の石破さんも、国会議員の中では勢いに陰りもみられるということで、総合得票ではあるいは順位が変わるかもしれません」
清水希容さん(空手家・五輪銀メダリスト・『news zero』木曜パートナー)
「今回多くの方が立候補されていますが、首相になるということが最終目的ではありません」
「私も(空手で)日本代表に選ばれた時は、他の人たちの思いや努力を背負って、覚悟や責任というものが生まれました。いろんな人たちの意見を聞いて、より良い政策を作り上げてくれる人が選ばれてほしないなと思います」
藤井キャスター
「候補者が9人と多く、派閥が解消されたことで、推薦人を見るといろんなことが分かってきました。誰に支えられて総裁選に立候補できたのか。そのことも含めて、党員・党友の皆さんがどういう判断をするのか注目されています」
(9月12日『news zero』より)